教員コラム<積山薫教授>
こんにちは。積山薫(せきやま かおる)です。2017年5月に総合生存学館(思修館)に加わりました。専門は、心理学、認知神経科学で、人の心の可塑性について、赤ちゃんから高齢者まで幅広く興味をもって研究しています。実験的な切り口での研究を通し、人間の適応力のすごさ、環境の影響の大きさには感嘆させられてきました。だからこそ、子どもから高齢者まで、その心理特性に応じた教育や社会の在り方を考え、実践することが大切です。 私は現在、「ライフスタイルと脳の働き:超高齢社会を生き抜くための心理科学」という課題名の科研費の研究をしています。その過程で、自治体から、高齢者の「10歳若返り」をめざす実践モデル研究実施の依頼がありました。そこで、昨年度、「ピアニカ・プロジェクト」として、健康な高齢者の脳を活性化すべく初心者にピアニカ練習に取り組んでもらう介入研究を学生とともにおこないました。子どもが学校に通うように、労働市場から引退した高齢者が通う学校のようなものがコミュニティに必要、との思いは、このプロジェクトを通じて一層強くなりました。 さて、研究マインドを強くもつ学生さんに特にお勧めしたいのは、日本学術振興会の特別研究員への応募です。給料をもらいながら研究という仕事に没頭できる上、その経歴が次のステップへの高評価につながるからです。私は、特別研究員として研究に打ち込んだ日々の蓄積のもとに、後年、Nature誌に第1著者で論文を発表することができました。特別研究員に採用されるためには、大学院の最初の1~2年間で優れた研究成果、つまり査読論文を出すことが重要です。早めに準備することで、研究者へのステップに好循環をもたらすことができます。ぜひ、挑戦してください。 積山研究室のホームページ /staff/sekiyama/ |
研究室にて 学生との面談 「ピアニカプロジェクト」参加者・スタッフとともに |
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