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博士課程教育リーディングプログラム

博士課程教育リーディングプログラム「京都大学大学院思修館」のサイトは、2015年11月より旧サイト http://www.sals.kyoto-u.ac.jp/ からこちらに移転しました.今後とも宜しくお願い申し上げます.

 

博士課程教育リーディングプログラム「京都大学思修館」は、平成23年に博士課程教育リーディングプログラム(オールラウンド型)に採択されました。平成24年10月にプログラムが実質的にスタートし、平成25年4月には本プログラムの実施組織として大学院総合生存学館が設置され、京都大学として総合学術の学位を授与する研究科が生まれました。文部科学省からのプログラム補助金は平成29年度で終了しましたが、京都大学思修館の教育プログラムは引き続き総合生存学館で実施されています。

思修館プログラムの概要

日本が復興、成長し、世界の中で存在感を保ち続けるためには、今日の危機と人類社会の課題克服を先導し、持続可能で活力ある新たな社会システムの構築にリーダーシップを発揮する人材が必要
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そのようなリーダー人材育成のあり方を突き詰めた結果、3つの根本的な問題意識に行き着いた。

●学生と教員双方の人間性が深く作用し合う「顔の見える全人格的な教育体制」こそが本質
●今求められるのは社会の現場において他者と協働する課題解決のための実践
●真のグローバル化は、国際標準の知識と智慧をもち、場所を選ばない

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これを受けての本プログラムの考え方(育成したい人材像)
社会的課題解決のために今求められている人材は、高い使命感・倫理観を有するグローバルリーダーとしての責任を持ち、種々のプレッシャーに耐え、広い知識と深い専門性を両立させた柔軟性ある思考で既存の学問や課題領域を束ねることができ、かつ国内外での豊富な実践を通じて、「現場」での的確な判断力・行動力を備えたリーダーたる人材である。
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分野を問わずフィールドワークを得意とし世界的な研究成果を数多く産んできた総合大学
このような京都大学の強みを活かした独自の育成手法(抜粋)
●国内外のトップ機関におけるインターンシップ(サービスラーニング)型の現地実践を通じた世界観の醸成と人間力の強化
●全員が教員と共に日常生活をともにし、精神面・意識面からの成長を実現するための合宿型研修施設
●相談役だけでなく責任を持って担当学生を育成・評価する後見人としてのメンター制度
●産業界、行政、国際機関からのリーダーを講師に招く「熟議」の開催
●幅広い知識の獲得を目指した総合学術基盤講義(八思)と国際機関等と連携による実践力獲得のための海外実践など、学生の問題意識に沿ったテーラーメイド型教育制度
●2年次と3年次修了時にそれぞれ専門研究と知識に関する学位論文予備審査及び進学審査を実施し、合格者のみを“思修館特任研究員”として、海外の現地実践(武者修行)に派遣
●4年次は一年間にわたる海外での武者修行に従事することで、知識や研究で培った能力を総合して現場での経験を積む。
●最終年度(5年次)は、学生自ら社会の中で多様な行動を起こすプロジェクトベースリサーチ/ラーニング
●学位審査:修了要件を満たし最終審査を経た者に学位(総合学術)を授与するほか、学位記に京都大学大学院思修館プログラムの修了を記す。これにより、企業や行政機関の博士人材起用を促す。

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その手法を達成するための組織体制
●運営組織:博士課程教育リーディングプログラム運営会議及び同運営委員会を設置し、本プログラムをはじめ、学内のリーディングプログラムを大学として一括管理運営
●教員体制:適切な教員を学内外から集めるための組織と人事関係規則を制定。各界トップを経験し、人格・識見に優れた指導者を産業界、官界、国際機関から専任教員あるいは学外講師(特任教員)として招へい。学内からは専任教員の他、兼任教員及び総合学術基盤講義担当教員の措置を整備
●プログラム評価制度:国内外のトップリーダーからなる外部評価委員会及びアドバイザリーボードの設置。成果報告会(フォーラム)や公聴会を開催し、一般市民を対象にパブリックコメントによる評価を実施。修了時及び5年、10年経過後に、修了生をはじめ、上司や所属長を対象にアンケートを実施し、どのような人材として評価されているかを調査
●新設大学院“総合生存学館(思修館)”の設置。本プログラムの実施主体として平成25年度設置。


学生や修了者の活躍状況
1.第1期生4名の進路状況:国際機関(国連食糧農業機関FAO、東アジア・アセアン経済研究センターERIA)、政府機関(外務省経済局)、企業(コンサルタント)にそれぞれ就職、国際的に活躍している。
・経済協力開発機構OECD、国際エネルギー機関IEAでの海外武者修行を経験し、FAOに就職した学生は、競争倍率数百倍の若手職員採用試験(JPP)に合格、現在ハンガリーに赴任中。(平成29年4月)
・海外武者修行先であったERIAに引き続きそのまま就職(5年次休学中)した学生は、現在、事務総長秘書官兼研究員として勤務、インドネシアに赴任中。(平成28年4月)
・FAO本部(ローマ)で海外武者修行を経験し、PBRにおいてFAO、日本学術会議及び京都大学により共同実施された市民公開シンポジウム「世界の食料の今そして未来」を企画運営した修了生は、外務省経済局に就職。(平成29年4月)本年5月上智大学にて開催された「FAO事務局長講演及びジョブ・セミナー」において、外務省職員として自身のFAO海外武者修行の経験について講演した。
・韓国人留学生は、オーストラリア連邦科学産業研究機構CSIROでの海外武者修行後、PBRとして同国企業と協働して日本人100人に対して味覚の調査と分析を実施。修了後、日系のコンサルタント系グローバル企業に就職した。(平成29年4月)
 
2.5年次プロジェクトベースリサーチ(PBR)の成果
・地方自治体と協力して小水力発電事業を運営する企業を起ち上げ、自らの専門である再生エネルギーによる地域活性化・投資障壁分析をPBRとして実施。(平成29年度)
・海外武者修行先組織にPBR企画を提案し、外部からの資金を獲得して共同でPBRを実施
国連食糧農業機関FAO、世界水協会IWA、世界知的所有権機関WIPO、国連開発計画UNDP
 
3.4年次海外武者修行の成果
・海外武者修行先(平成27-29年)は国際機関を主体として、企業や研究所等に展開している。
国連機関(FAO、UNDP、国連教育科学文化機関UNESCO、国連環境計画UNEP、及びWIPO)、国際機関(OECD、IEA、及びERIA)、国際NGO・NPO団体(IWA)、グローバル企業(Creativ-Ceutical)、研究所(The Scripps Research Inst. Lawrence Berkeley National Lab., Getty Conservation Inst., Australian Council for Educational Res.)、その他(CSIRO他)
・海外武者修行先の国際機関等における研究レポートの共同執筆の実績(平成27-28年度)
経済協力開発機構OECDレポート、国連食糧農業機関FAOレポート、世界水協会IWAレポート
・海外武者修行先の国連機関、国際NGO団体のHP等における紹介記事の掲載
FAOのHP:学生のインタビュー動画(平成27年度)、IWAのHP:学生執筆ブログ記事(平成28年度2回)、UNDP駐日代表事務所HP:学生の紹介記事(平成28年度)
 
4.その他
・NHKの長期的な取材に積極的に応じ、ETV特集「グローバル人材を育成せよ~京都大学・改革への挑戦~」が1時間番組で放映された。(平成27年4月)
・国連広報センターの学生フォトコンテスト「わたしが見た、持続可能な開発目標(SDGs)」に、学生の海外インターンシップ時の撮影作品「DonationFood」が入賞した。また、本件に関わるドキュメンタリー番組がNHKテレビで制作、報道された。(平成29年1月)
・学館学生企画の「産学連携バトル!inKyoto」事業が、文科省補助金事業に採択され、全国のLP学生、企業関係者等117名の参加を得て、幅広い日本社会の課題解決策を議論した。(平成29年3月)
・総合生存学館の(1年次)学生がOECDStudentAmbassador(2016年度)に選ばれた。
・学会等での研究論文発表に関わるBestPresentationAward等により学生が顕彰された(8件)。
 
教育に関わるアピールポイント
1.思修館独自の国際実践教育科目が整備され、本教育カリキュラムに対する学生の満足度は高い。
 
2.POフォローアップ報告書(平成28年3月)、外部評価委員会報告書(平成29年2月)、海外武者修行先スーパーバイザー報告書等において、学生の評判が極めて高い。
 
3.英語による講義、語学力強化のための課外科目、語学留学等により、語学力/コミュニケーション力が大きく向上した。(平成24-27年度学生の入学時/入学後のTOEFLiBT平均点77点/89点)
 
4.思修館同窓会の創設:修了生・学生の自主運営による遊聞会を設立、人的ネットワークを構築した。
 
学内外への波及効果
1.文理融合の大学院教養教育、熟議等リーダーシップ教育、インターン等実務実践教育など、これまでの大学院教育にないカリキュラムを実施する大学院総合生存学館(思修館)を設置し、プログラムを継続する組織制度を確立した。(平成25年度4月)
 
2.京都大学博士課程教育リーディングプログラム(LP)運営会議及び同LP運営委員会を設置し、全学的なマネジメントによる5つの学位プログラムを実施して大学改革の起点とした。(平成24年9月)
・部局長会議の下に大学院共通教育及び補助金措置期間終了後の博士課程教育LPの実施・運営体制等を検討する「大学院共通・横断教育実施体制検討委員会」を設置し、大学院教育改革を牽引した。(平成28年11月)
 
3.グローバルな教育研究・生活環境を整備するために、学住一体の研修施設(平成25年3月廣志房、平成26年7月船哲房)や校舎及び第3研修施設(平成27年12月東一条館)を建設した。
 
4.社会連携、とくに産学の連携強化を通じた外部資金を獲得した。
・企業(8社)と包括共同研究促進協定を締結し1社と締結予定である。(平成28年度~)
・寄付金等獲得のための思修館基金を設置した。(平成23-29年度実績見込を含み約7億円)
・企業・行政・自治体の幹部候補生を対象にした「京都大学ExecutiveLeadershipProgram(ELP)by思修館」を企画・運営した。(平成27年度~)
 
5.国際機関等と大学間及び部局間学術交流協定を締結(12機関)し、国際シンポジウム(1-2回/年)、国際教育セミナー(4-5回/年)を開催するなど、大学の国際化を推進した。(平成23年度~)
 
6.超学際・実践的学術である総合生存学の提唱し、その学術基盤を構築した。
・テキスト『総合生存学-グローバルリーダーのために-(京都大学学術出版)』(平成27年7月)を刊行し、引き続き、英語版の刊行及び続編『総合生存学の挑戦』の執筆を計画。(平成29年度)
 
7.教員/学生の横断組織による9つの複合型研究会を起ち上げ、企業との共同研究の実施、ExoKyotoデータベースの構築、翻訳プロジェクトの実施などの成果を上げた。
 
8.教職員・学内協力教員等の他、熟議講師、ELP履修生、寄附者など、内外の思修館サポータと学生の交流の場である「第1回思修館の集い」を開催し、人的ネットワークを形成した。(平成29年2月)
・思修館プログラムの総括シンポジウム及び第2回思修館の集いの開催を計画。(平成29年10月18日予定)
 
補助金終了後(平成30年度)に向けた課題と対応
1.教育力の強化:入試及び教育カリキュラムの改革による志願者の確保、国際機関・グローバル企業へのキャリアパス強化、国際社会でリーダーとなる人材の輩出に向けて、以下の対応をしている。
・よりダイナミックで柔軟なカリキュラムへの進化(平成30年度以降実施)
・修士学位の授与を可能にし(平成28年度~)、社会人経験者などの博士学位ニーズに対応した編入制度の導入を計画。(平成29年度予定)
・学内からの志願者を増やすための学内特別選抜を導入する予定。(平成29年度~)
・志望者を大幅に増やすための方策、効果的な広報及び対外発信として、日本語HPの全面改訂、英語版HPを充実した。(平成28年度)
・広報ビデオを更新した。https://www.youtube.com/watch?v=nh_GjZ6zjBI(平成28年度)
・メルマガによる対外発信力を強化した。(平成28年度は28回更新)
 
2.研究力の強化:実践研究、共同研究を通じたエビデンス・ベースの政策展開及び持続可能開発目標(SDGs)の達成への貢献を目指す。
・学生派遣に加えて、地球規模課題の国際共同研究推進のため、国際機関・海外大学との研究者交流(UNESCO28年度)や共同研究の実施(ERIA28年度~)などの連携を強化し、政策論文を生産する。
・企業ニーズに応じた産学共同研究、行政との官学共同研究などの連携を強化する。(平成29年度~)
 
3.国際力の強化:世界に開かれた国際連携大学院や国連機関等のリエゾン拠点構想を実現する。
・学内他LP(GSS等)との連携による卓越大学院プログラムへの展開(平成30年度申請予定)
・平成30年度概算要求:生存学(人類未来学)のための国連連携拠点を設立
 
4.実践教育を実施するための安定的財源の確保・概算要求の実現、思修館基金の確保、企業との共同研究を強化する。

思修館プログラム総括シンポジウム報告書

2017年10月18日実施
博士課程教育リーディングプログラム 京都大学大学院 思修館プログラム総括シンポジウム
第2回思修館の集い Proceedings
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