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挨拶

学館長メッセージ

平成29年4月より新たに学館長に就任致しました 寶 馨(たから かおる) です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
平成25年度(2013年4月)に新設された京都大学大学院総合生存学館は、今年で5年目を迎え、5年一貫制大学院として全学年が揃います。4月現在、55名の学生が所属しています。年度末には総合生存学館として初めて博士学位授与者が出る予定です。これまでこの学館を導いてこられた川井秀一前学館長はじめ、学館の教職員の皆様、総長をはじめとする大学本部の皆様、協力教員あるいは研究指導委託教員として大学院教育に関わってきて頂いた諸先生に敬意を表しますとともに厚く御礼申し上げます。また、この総合生存学館は、多数の学外団体、民間企業や有識者の皆様にも多大なご支援をいただいております。才能ある有意な学生諸君を世に出して参りたく存じておりますので、今後ともよろしく御指導御鞭撻賜りますよう謹んでお願い申し上げます。


 
 

さて、総合生存学館は、平成23年度に採択された文科省博士課程教育リーディングプログラム(オールラウンド型)「京都大学大学院思修館」の実施組織として設立された大学院であります。従いまして、学内外で「思修館」という通称で親しまれています。総合生存学館の概要や、思修館という言葉の意味・意義についてはホームページを御参照下さい。
 
以下、学館長としての抱負を述べさせて頂きます。
(1) 総合生存学館(思修館)は新しいチャレンジの場
大学には、通則、教育制度があります。それにしたがって大学教育がなされますが、総合生存学館(思修館)は新しい大学院です。「オールラウンド型」ですから専門の縛りはありません。多様な分野を志向する有能な学生諸君や優れた教職員の皆様とともに新しい大学院として様々なチャレンジをしていきたいと思います。京都大学の自由の学風のもとに、思修館ならではと言えるinnovativeな伝統を作っていきましょう。
(2) 「知の巨人」が育ってほしい
日本、京都は、古来より、海外から様々な新しい知識と技術を導入し、それを咀嚼し、水準の高い独特の文化や伝統を築き上げてきました。それは、「クールジャパン」と言われるように海外から尊敬されています。総合生存学館(思修館)は、日本、京都にあるユニークな大学院として、将来の世界の「知の巨人」となるような人材がどんどん育ってくれるように学びの場と機会を学内のみならず学外にも提供して参ります。
(3) 国際的大学院に
総合生存学館(思修館)は、多くの国連機関・国際機関・海外機関と協力協定を結んできました。これらの機関との共同研究、人事交流(長期・短期の派遣も含む)をさらに実質的に進め、それらの機関とのアカデミックな玄関口として、また、国際協力・協働の場として、その国際的大学院としての役割を着実に積極的に果たして参りたいと存じます。
 
皆様の御理解と御協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

総長と初代学館長メッセージ

京都大学総長山極 壽一先生に聞く

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リーダーシップ教育につながる八思

リーダーはさまざまな人と付き合う必要があります。異文化、異分野のそれぞれのひとたちを納得させなくてはならない。
そのためには、社会の仕組みがどうできているかということはもちろん、それぞれの分野でどんな人がどういう情熱で働いているのかを理解しておく必要があるということです。だから机上の学問だけではなくて実際にさまざまな人たちの現場に行って自らの身体でそれを感じるということが必要です。私自身が様々な世界を渡ってきて、「新しいことを提案して現場の人たちを納得させるには、さまざまな知識を総動員して、自分がやりたいことを熱意を持って伝える、それが相手に伝わらなければ新しい仕事はできない。」と思ったからです。そのためには語学も必要だし、自分の思いを相手の言葉で描き相手を感動させなくてはいけない。そのためには自分は明確なストーリーをもっていることが必要だし、そのストーリーは、相手のわかる言葉で、相手のわかる分野の知識でもって語らなければならない、それがリーダーの素質だと思います。さまざまな学問領域を修得し、さまざまな分野の教養を頭に収めておくための「八思」に期待します。

 

京都特有の文明論的意義をみつめる

もともとインスパイアされるという場所である京都には今五千万人の観光客が来ると言われていますけれども、その人たちがただ通過しているだけではなく、さまざまな分野やさまざまな国の人たちが出会って、異なる知識を交換させながら、京都を中心として何か新しいものが育っていく。京都大学という最先端の学問をやっている人たちがその中心になる。
それはおこがましいようですけれど、世界にとっては、とても素晴らしいことじゃないかと私は思っています。
京都はね。世界の中のどの都市よりも、自分が世界一だと思っている人の密度が高い所だと思うんです。もちろん芸術家の方々もそうですし、職人の方も、それから市井に生きる人たちもそうですね。それは、京都という歴史の厚みの中で、自分を見つめることができるからだと思います。「日本の中で」というよりも、「世界の中で」ということが、直接繋がっている。こういう技術を持っている人は世界に俺しかいないんだ。私しかいないんだ。そんな誇りの中で暮らしていますから。それが一つの矜持になって、非常に高度で質の高いものが伝えられるのだろうと思いますね。

 

境目を超えて学問領域を俯瞰する

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 「新しさ」、つまり創造性というのは、一つの学問領域の中で認められないものもあると思うのです。これまでの学問は、それぞれ境目があって、その中で「深める」ということによって、「新しさ」を作り出してきたわけだけれども、思修館は深堀ではなくて、色々な学問を合わせた中に新しい発想があるわけです。新しい試みが提案できるし、自分の学問として提出することができる。
いうなれば挑戦なんですよね。ただ、その成果がどう問われるか。実践ですから。実践の学問としてどういう風に社会に通用するか、その真価が問われると思います。
さまざまな学問領域を俯瞰しながら、そこにいろんな形で足を入れながら、新しいことを考える。
今まではその学問の中で、新しい物事を創造してきたわけですけれども、それをつなげることによって、どれだけ新しい創造的な物ができるのか、ということだと思いますね。それを今の社会は必要としている。私はそう思います。

初代学館長メッセージ

 京都大学大学院総合生存学館は平成25年度に新たに設置された大学院です。総合生存学館は文科省博士課程教育リーディングプログラム「京都大学大学院思修館(平成23年度)」の実施組織であり、そのため「思修館」を通称にしています。
現代社会は、人、もの、情報のグローバル化により否応なくわれわれを国際社会に巻き込み、異文化と格差のなかでの舵取りを迫っています。地域紛争、経済危機、人口爆発、環境汚染、感染症など、われわれが直面している課題は広域化、複合化し、個別専門分野だけの対応では限界のあるものばかりです。
思修館の最も大事なミッションのひとつは、地域や国家で、あるいは国際社会において、上記のような課題に取り組む人材、人類社会の生存と未来開拓を担うリーダーを育成することです。
思修館は、社会の現場で実践し、課題の解決に向けて邁進しようとする未来のリーダーの「鍛錬の場」です。そのため、思修館では学力は言うに及ばず、思考力 と実践力を鍛え、社会性や国際理解を醸成して、様々な課題に対して柔軟に立ち向かえる俯瞰力と総合力を養う教育を行います。八思、熟議、

海外武者修行やインターンシップなどの幅広い、特徴あるカリキュラムを用意しましたので、是非、本ホームページを参照ください。
学生の皆さんは、それぞれの専門知識・経験と共に、人文・社会科学系から自然科学系に至る幅広い学識を獲得し、その知識を現場で応用できる力を養い、修了後には現代世界が直面している課題、そして近未来に起こるであろう困難な社会課題に挑戦し、社会を変える原動力となることを期待します。
このような人材育成の基盤になるのは、人間力であり、堅固な意思や志、夢かと思います。京都大学の「自由の学風」の礎を創った初代総長木下廣次(きのした ひろじ)先生は「自重自敬」という言葉を残しておられます。「自分の頭で主体的に考え、行動する」、「信頼するに足る自分を作り上げる」ことが大事です。 自らの大きな夢の実現に向けてこの五年間を最大限活用し、自分を高めて欲しいと思います。思修館には自重自敬の師として人文社会/理系の両分野にわたるユ ニークな教員が結集し、皆さんの大学院生活が人生において最も充実した意義ある時間となるよう全面的にサポートし、みなさんの夢の実現やキャリアパスの獲 得を応援します。
将来の日本、将来の世界を牽引するリーダーになる事にチャレンジしてみたい方には、是非この新大学院総合生存学館にトライして頂きたいと思います。非常に厳しい勉学も待っておりますが、それを乗り越えた人はきっと素晴らしい世界のリーダーへの門戸が開かれると確信しています。
思修館の二つめのミッションは、「総合生存学」という新しい学術体系を創ることです。既存の分野を束ね、生存学を基にこれらを編み直し、社会実装するための実践的なケーススタディや思想・方法論を培う応用学、総合学としての総合生存学を創ることです。このため、産官学の協働のもとで理論と実践を融合する研究の推進を計っています。
以上のように、思修館は人類や社会・地球システムが抱える問題の本質を理解し、生存学に関わる総合的、実践的な知の体系を創ると共に、生存学を修得して次世代のリーダーを目指す若人を養成することにより社会に貢献したく思います。