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挨拶

最終更新日 2021.04.01

学館長メッセージ


京都大学大学院総合生存学館
学館長・教授 積山 薫
 
 
 

「社会を変える」人材の輩出を目指して
 
持続可能な発展は、世界の人々の共通の願いです。しかしながら世界を見渡せば、紛争、経済格差、気候変動、自然災害、環境破壊、パンデミック、少子高齢化など、人類の日常と未来を脅かす諸問題であふれています。2013年4月に5年一貫制の大学院として誕生した総合生存学館は、こうした人類の生存にかかわる社会課題を解決するための「総合生存学」の確立を目指しています。そのミッションは、総合生存学を志向し社会変革に取り組むグローバルリーダー人材を育成することです。
 
私たちが取り組む総合生存学は、教員と学生がともに創造する新しい学問分野であり、社会課題の解決をめざす実践的な学問です。その実現には文理融合のアプローチが不可欠であるため、学問体系の壁を払い、複数指導教員制などにより、幅広い視野から研究を進められる体制を取っています。総合生存学館がある東一条館には、学生の研鑽の場として「ラーニングコモンズ」があり、指導教員が誰かを問わず、学生たちはここで異分野の学生と交流しながら研究を進めます。また、合宿型研修施設においては、異文化および異分野出身の学生と共同生活を送り、日常的な対話を通して切磋琢磨します。さらに、3~5年次におこなう「武者修行」では、海外に滞在して実践活動に取組み、グローバルな視野をもって創造的に課題解決にあたる能力を身につけます。武者修行を通した学生たちの成長には、目を見張るものがあります。
 
総合生存学館は、文部科学省の博士課程教育リーディングプログラムに2012年に採択された「思修館プログラム」を実施するための大学院としてスタートしました。この由来のため、「思修館」が研究科の別名ともなっています。これは、仏教の「聞・思・修」という三段階の智慧の探求にちなんだ名前です。すなわち、様々な分野から集結した学生が、知識を「聞」き、それを「思」策し、社会実装することで学問を「修」める学びの場でありたい、との願いが込められています。
 
このような取組みのなかで、現在の5学年にわたる在学生は81名で、これまでに21名の博士課程修了者を社会に送り出しました。修了生たちは、企業、大学・研究機関、官庁、NGOなどで活躍し、社会変革人材として嘱望されています。最近の出来事として、修了生と在学生が協働して設立した一般社団法人「総合生存学インパクト・センター(愛称 AISIMAS)」が、社会課題解決の長期的な実践に着手したことを、とても嬉しく思っています。
 
総合生存学館は5年一貫制博士課程の大学院ではありますが、最短2年で修士の学位も取得可能ですから、まずは2年間のつもりで門を叩いてもらっても大丈夫です。人類の生存を脅かす課題の解決に資する、学生の皆さんからのユニークな研究テーマの提案を期待しています。
 
京都大学大学院総合生存学館でともに学び、社会を、そして世界を変える活躍を目指しませんか。そんな皆さんの入学をお待ちしています。
 
(令和3年4月)