京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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研究

最終更新日: 2023-05-23

複合型研究会

総合生存学館は京都大学の最も新しい大学院であり,グローバル問題やユニバーサル問題について,分野横断・文理融合アプローチを用いて,解決策を提言するだけでなく社会実装すべく実践的な研究に取り組んでいます。また,総合生存学は,従来のように教員から学生へ一方的に知識を授けるのではなく,学生とともに創る新しい学問でもあります。

しかしながら,個別の学問分野で研究してきた教員が分野横断・文理融合アプローチを用いることは簡単ではありません。そこで,総合生存学館では,課題ごとに設定された,専門分野の異なる複数の教員が共同で学生とともに教育研究に取り組む複合型研究会という新しい仕組みを編み出しました。複合型研究会は,教育研究上の目的に応じて,組織の改編を柔軟に行うことができます。この複合型研究会では,従来の研究室とは異なり,学生は複数の研究会に所属でき,新規参加・脱退も自由です。

下記複合型研究会のほか,メタ研究会との位置づけで,個別課題の解決策間のトレードオフを研究する場,教員と学生の交流・意見交換の場として,総合生存学研究会を設置しています。

研究会紹介

宇宙・地球環境災害研究会(旧称:環境災害研究会)

研究テーマ:
地球活動および地球環境の変化によってもたらされる自然環境災害、文明の発達に伴って増加する人的災害や、宇宙環境、宇宙由来の大災害、文化遺産の防災、歴史考古学から学ぶ過去の大災害などについて学び、それぞれの災害のメカニズム、想定される人的・経済的被害を学び、レポジトリを利用したデータベース化を行う。
主な参加教員:
山敷 庸亮
研究会ホームページ:
http://www.envhazards.org
インタビュー:
山敷 庸亮
ミニワークショップ開催について:
当日の動画(2020年6月5日(金)/6月19日(金) 開催)

ネットワーク社会研究会

研究テーマ:
ネットワーク科学を用いて、商品・貨幣・人の流れがもたらすグローバルな相互依存性に関するビッグデータを分析、現代社会が抱えるさまざまな問題を多様な視点から紐解き、その原因や解決の糸口を探索しています。
(1) 世界経済の複雑性: ヒト・モノ・カネの流れの多重ネットワークと非線形ダイナミクス
(2) 次世代資本主義: ブロックチェーンと機械・深層学習
主な参加教員:
池田 裕一、初田 哲男(理研iTHEMS)、青山 秀明(RIETI,理研iTHEMS)、日高義将(KEK理論センター)、藤原 義久(兵庫県立大学)、家富 洋(立正大学)、相馬 亘(立正大学)、Abhijit Chakraborty(京都大学)
研究会ホームページ:
https://www.gsais-nsrg.com/
https://blockchain.innovationkyoto.org/
インタビュー:
池田 裕一
ミニワークショップ開催について:
当日の動画(2020年6月9日(火) 開催)

マインドフルリビング研究会(旧称:生の哲学研究会)

研究テーマ:
マインドフルリビング研究会は、21世紀における「良き生」を求めて「マインドフルリビング」に焦点を当てた大学院・ポスドクセミナーです。 もともと仏教の概念である「マインドフルネス」(漢文「正念」)は重要なライフスキルとして、東洋と西洋、人文学と認知科学、哲学と医学の交点にある中心的な概念として注目されています。マインドフルネスを「三慧」(聞慧・思慧・修慧)のモデルの観点から捉えることで、体系的な仏教学のプログラムを提供します。さらに、他の主要な分野(哲学、人類学、心理学、教育など)とリンクさせることで、「生活世界」に適用できる学際的な研究を促しています。
主な参加教員:
Marc-Henri DEROCHE、積山 薫、河合 江理子
研究会ホームページ:
https://www.gsais.kyoto-u.ac.jp/trg/mlrg/
インタビュー:
Marc-Henri DEROCHE
YouTubeチャンネル:
チャンネル

持続可能な経済研究会

研究テーマ:
持続可能開発目標 (SDG)7に含まれる再生可能エネルギーへの転換は主要な研究テーマである。具体的に、発展途上国でのフィールドワーク(アンケート調査およびインタービュー調査を含む)を通じて再生可能エネルギー導入の推進要因と障壁の分析、及び既に行われている再生可能エネルギープロジェクトの持続可能性評価を行なっている。また、「脱炭素化都市を宣言した日本の自治体のモチベーションと課題」、「中国における太陽光エネルギーを活用した貧困削減プログラムの評価」、「日本企業のタイ現地法人による環境への取り組み要因」などのテーマについて学生と一緒に共同研究を行なっている。
研究会に参加する学生の研究テーマは多様であるが、持続可能な開発目標 (SDGs)の達成に係る課題の解決、学術的研究と実践的研究の融合、および分野横断型なアプローチの必要性といった点において教員と学生は共通認識を持っている。さらに、年に2回公開ワークショップを開催しており、ワークショップの動画は研究会のYouTubeチャンネルで視聴できる。
主宰教員
Dimiter S. IALNAZOV
インタビュー:
Dimiter S. IALNAZOV
YouTubeチャンネル:
チャンネル

国際開発研究会

研究テーマ:
パンデミックや気候変動、軍事的緊張など複合的危機の真っただ中で、平和で安全な社会の実現や、複数の脅威に対する分野横断的対応、分断に対するパートナーシップの強化など、国際開発の重要性はますます高まっている。本研究会では、参加学生の関心や研究テーマに沿って、開発に関わる問題・課題を広く自由に話し合ったり、現場を歩く活動を行っている。また、国際開発業務の第一線で活躍している外部有識者と対話する機会がある。
主な参加教員:
牧野 耕司

資源・エネルギー政策研究会

研究テーマ:
資源・エネルギー問題を中心としたグローバルな諸問題に関する解決策を考え、特に発展途上国での再生可能エネルギー大量導入のための政策協力、発展途上国電力公社の事業経営に関わる実務的な研究を行う。
<写真>
カンボジア国炭素中立社会に向けた
クリーンエネルギー転換ロードマップ策定プロジェクト
(長山教授は 本プロジェクト 総括・団長)
KICK-OFF ミーティング【2023年3月24日】於 鉱山エネルギー省

Discussion Meeting [April 10, 2023]: 於 電力公社

主な参加教員:
長山 浩章

未来智慧研究会(旧称:人工智慧研究会)

研究テーマ:
未来智慧研究会は, 情報の視点から未来につなぐ賢い智慧,人工知能,生命,及び社会などを研究する.ネットワークアルゴリズムや最適化,機械学習,深層学習といった方法論の開発と応用,情報乱雑さ(情報エントロピー)の視点から学習や智慧,生命を考える.さらに情報智慧論と智慧方程式: 智慧=学習+乱択(する)を提唱し,人工知能の限界,将来像,期待,危険性などを研究するとともに,生きることの本質や創造,未来生命,未来社会などを探求する.
主な参加教員:
趙 亮
研究会ホームページ:
http://aw.gsais.kyoto-u.ac.jp/
YouTubeチャンネル:
チャンネル

グローバルコモディティ問題研究会

研究テーマ:
コモディティは、たとえばエネルギー問題・環境問題・食料問題・水問題といった形で、それ自体がグローバルな問題を孕んでいる。加えて、各問題がお互いに複雑に絡み合っているのもその特徴である。これらの連関性に注視しつつ、本研究会では、コモディティに関するグローバル問題の解決を目指す。加えて、より包括的な意味で、コモディティ化の進んだ商品ならびに制度に関するグローバルな問題の解決を目指す。
主な参加教員:
金村 宗、櫻井 繁樹
インタビュー:
金村 宗
ミニワークショップ開催について:
当日の動画(2020年6月2日(火) 開催)

国際政治経済研究会

研究テーマ:
一国の国境を越えて生じる政治、経済、ビジネスの複合的問題を分析し、その解決に必要な具体策について検討する。以下は、本研究会において、教員および学生が現在取り組んでいる研究トピックの例である。
(1)経済相互依存と国際秩序形成
(2)高度人材の国際移動、移民
(3)国際援助、国際協力、難民支援、人道支援
(4)国際教育、グローバル人材育成、学習動機
(5)気候変動、異常気象、自然災害が社会に与える影響
(6)政治制度比較
(7)国境を超える破壊的テクノロジービジネス
(8)ベンチャー企業の国際的なエコシステム
(9)巨大プラットフォーマーの国際競争優位性
主な参加教員:
関山 健、山本 康正、夫津木 廣大(公益社団法人シャンティ)、土田 亮(大阪国際大学)
インタビュー:
関山 健
YouTubeチャンネル:
チャンネル

グリーンケミストリー&サーキュラーエコノミー研究会

研究テーマ:
サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、廃棄物を新たな資源と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる仕組みを言う。持続可能な社会実現に必要な技術革新を、ミクロな化学分子レベルの話から、マクロな統計学的な話までを統合させ、文理融合の観点からグリーンサスティナブルケミストリー(環境に優しい化学)とサーキュラーエコノミーに基づき研究する。
具体的テーマ:
1.グリーンサスティナブルケミストリー(GSC)の教育推進
2. 海洋プラスチック問題
3.リサイクル可能な新規材料の開発
4.自然界由来の新規材料の開発
5.新たなる資源の探索(昆虫食、昆虫の資源利用)
主な参加教員:
齋藤敬、山敷庸亮
関連するSDGs:
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任
14.海の豊かさを守ろう
など
インタビュー:
齋藤敬
YouTubeチャンネル:
チャンネル

グローバルヘルスデザイン研究会

研究テーマ:
ヒト健康課題に焦点を当て、統計・数理モデル等の多様な研究手法、異分野融合研究を通じ、その課題解決につながる新規性の高い研究に挑戦する。得られた科学的根拠を、政策やプロジェクトとして社会実装することを目指す。
具体的テーマ:
1.グローバル感染症の感染・流行リスク推定、流行動態解析、政策提言
2.グローバル感染症による疾病負荷推定、予防接種効果推定、政策提言
3.ヒト移動がグローバル感染症拡大に与える影響の推定、政策提言
4.人畜共通感染症のスピルオーバーに影響を与える要因解明
5.気候変動が蚊媒介疾患をはじめとする感染症に与える影響の検証
6.児童虐待問題
主な参加教員:
水本憲治
関連するSDGs:
1.貧困をなくそう
3.すべての人に健康と福祉を
6.安全な水とトイレを世界中に
13.気候変動に具体的な対策を
15.陸の豊かさも守ろう
など

京都大学大学院 総合生存学館

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