教員コラム<マルク=アンリ・デロッシュ 准教授>
今月、私たちのマインドフルリビング研究会主催で、マインドフルネスの基礎的な研究、理論、実践を紹介する3時間のワークショップを対面で開催いたしました。特に、このワークショップではオックスフォードマインドフルネスセンターなどが共同開発した健常者のためのプログラム「人生のためのマインドフルネス」(Mindfulness-Based Cognitive Therapy for Life) と 「Mindfulness: Finding Peace in a Frantic World」の実践に注目し、仏教学、西洋哲学、認知心理学や、京都の伝統的な文化、倫理、そして思いやりの美学の交点を基本的な立場として私たちの研究会で行われているこれらのプログラムの応用をもとに、プログラムを通して習得できるスキルや内容の本質を紹介いたしました。私たちは、このような本質的な「生の知」を人間の苦しみの根本的な精神的原因に対処できるものととらえ、現代の危機的な時代に生き残り、繁栄するための、統合された必要な知識(総合生存学)を提供するものとして構想しています。
ワークショップでは以下の3つの主要テーマについて、新たな学びにつながる講義、ガイド付きの実践、グループディスカッションを行うことで、体験的な学習と深い探求を重点に置きました。
(1) 注意力を極める:思いやりを持った意図的な注意力と、散漫にならず開かれた意識を持つ
(2) 在り方を見定める:概念的思考と直接経験
(3) うまく対応する:困難な状況に自動的に反応しない
「注意力の生態学」をもとに京都大学清風荘の建築、庭園とその風景の力を借りながら、古代の智慧の伝統とエビデンスに基づく科学の統合を、ライフスキルとしてのマインドフルネスを通して探求いたしました。このライフスキルは、学習、レジリエンス、ウェルビーイングの基礎として捉えることができます。
もし私たちの研究と教育のプログラムなどについてご興味ありましたら、いつでも以下のメールアドレスにご連絡ください:
mindful.living*gsais.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
京都大学清風荘