京都大学大学院総合生存学館(思修館)

EN

menu

ニュース ケンブリッジ大学生存リスク研究センター(CSER)との相互学術協定を延長しました。(2023年1月17日)

公開日
2023年01月26日

総合生存学館(思修館)は、5年前に締結されたイギリス・ケンブリッジ大学生存リスク研究センター(The Centre for the Study of Existential Risk:CSER)との相互学術協定を延長しました[1]。

ケンブリッジ大学は世界最古の大学の一つで「2023年版THE世界大学ランキング」では3位となっています。イギリス伝統のカレッジ制を採用しており、31のカレッジで形成されています。CSERはケンブリッジ大学内機関であり、2012年設立、2015年より研究活動を開始しました。人類の生存リスクを研究するため、天文学者のマーティン・リース男爵らが中心になって設立されました。

今回の訪問では、山敷教授が、”Prioritization of Different Kinds of Natural Disasters and Low-Probability, High-Consequence Events – How to prioritize space-based disaster at our “Space Age” and establish “Three-core” concept “(異なる自然災害と低頻度高結果イベントの順位付け、どのように「宇宙世紀」の我々が宇宙起源の災害について検討し、「三つの核心」コンセプトを確立するか)という題目で発表を行いました[2]。

また、大学院総合生存学館の国際研修(武者修行)先にCSERを候補として同大学を訪問していた大学院生の冨田キアナ氏は、ケンブリッジ大学アジア中東学部にて修士号を取得しており、今回の協定延長とこれからの相互交流に貢献しました。

本学とCSERは、2016年11月に、総合生存学館主催の第5回国際シンポジウムにCSERから2名の研究者を招聘し、様々な災害リスクについて活発な議論を行いました[3]。
2016年12月には、CSERにて開催の第一回国際シンポジウムに同学館より磯部准教授(現京都市立芸術大学)が出席し発表を行いました。2017年10月にリース男爵がSTSフォーラム参加のため来日された際に協定についての話し合いが行われ、(1)双方で、共同研究について資金申請を行うこと、(2)共同研究ワークショップを定期的に開催すること、(3)総合生存学館と教員の相互交流を推進すること、などで合意しました。2019年5月から2020年4月には大学院総合生存学館より当時大学院生であった関大吉氏(現九州大学学術研究員)が国際研修(武者修行)として同大学に1年間滞在しました[4]。

今回の協定締結により、(1)双方の大学院生と研究者の交流の促進(2)共同プロジェクトの推進(3)成果の出版の推進 などが話し合われました。MoU を延長することで、CSER は大学院総合生存学館(思修館)と、連鎖する自然リスク、コミュニティの対応、リスク軽減における宇宙技術の役割など、さまざまなテーマを通じて協力することが可能になります。また、双方の客員研究員や共同イベントから協定を進める予定です。

[1]ケンブリッジ大学生存リスク研究センター(CSER)のホームページに以下のように紹介されています。
https://www.cser.ac.uk/news/cser-extends-mou-kyoto-universitys-gsais/
[2] 主に以下の論文に関する内容を主に発表しました。
Moe Fujita, Tatsuhiko Sato, Susumu Saito, Yosuke A. Yamashiki(Corresponding Author) (2021). Probabilistic Risk Assessment of Solar Particle Events Considering the Cost of Countermeasures to Reduce the Aviation Radiation Dose. Scientific Reports. 11, Article number: 17091
Moe Fujita and Yosuke Yamashiki, Prioritization of Different Kinds of Natural Disasters and Low-Probability, High-Consequence Events, Journal of Disaster Research Vol.17 No.2, 202
[3] 第五回国際ワークショップについては以下に公開されています。
https://www.gsais.kyoto-u.ac.jp/symposium2016/
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/en/course/96/
本ワークショップの成果の一部は以下に出版されました。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jdr/17/2/_contents/-char/ja

[4] 以下のケンブリッジ大学CSERのページに記載されています。
https://www.cser.ac.uk/team/daikichi-seki/


 

京都大学大学院 総合生存学館

〒606-8306
京都市左京区吉田中阿達町1 東一条館1階
TEL 075-762-2001 / FAX 075-762-2277
MAIL info.shishukan@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp