京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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遊聞会便り(第25号)

孫 燁(R1年度修了生)
(JX金属株式会社)



▲フィールド調査先の高山市(2015年12月撮影)
懐かしい風景です。
 

▲武者修行先のポーランドで研究発表した様子
(2017年9月撮影)
 

▲会社のキャラクター、「銅の妖精」カッパーくん
(2020年9月撮影)

私が思修館を卒業して、もう半年が経ちました。皆さんはお元気ですか。ついこの前も私が勤務するJX金属株式会社、社内発表で自己紹介と思修館の説明をしたところです。思修館は私にとって、いつも近くて大切な存在です。
 
私は異分野融合と海外インターンシップのカリキュラムに魅力を感じ、思修館に志望しました。入学後、陸上生態学の専門から水圏生態学に変更し、湧水と水生昆虫という新しい研究テーマを始まりました。課外活動では小学生や外国人を対象とした環境教育を行いました。文理に渡る多様な専門分野に関わり、自分の学びや研究をいかに社会に還元するかについて思考し、社会実践と社会貢献で得られた経験知を持ってさらに成長する、そのような思修館の学びは、得がたい貴重な経験だったと今も感じます。
 
振り返ってみて、大学院は私にとって「楽あれば、苦あり」でした。知識や未知の謎を追いかける学術世界の楽しさがあれば、難題に取り組む苦しみもありました。幸いなことに、先生方のご指導と仲間たちからのサポートがあり、難しいことや悩みを乗り越えることができました。
「大学院の生活を実りあるものにするためには、コミュニケーションを大切にすること」。もし修了生の私が、後輩のみなさんに伝えたいメッセージがあるとすれば、この一言だと思います。
例えば、多くの場合、研究テーマを決めることが入学後直面する一つの難題になります。研究テーマがなかなか決まらないと辛くなりますが、「自分のやりたい研究」と「成功する可能性の高い研究」の間に悩む人がいるかもしれません。その時は、「良い研究テーマとは?」について考える必要があると思います。何があっても一人で悩むより、他人の意見を聞いたり、ディスカッションを通して考え方を整理したりする方が新しい視点やアイデアが得られます。良い研究テーマは決して自分の興味や成功のしやすさだけで決められるものではなく、研究から得られる知識や社会への応用性などの判断ポイントも出てくるかと思います。
 
今年はコロナの関係で特殊な一年となっていますが、私も初めての長期間在宅勤務、Zoom飲み会などを経験することができました。4月に入社してから、最初の研修もOJTも全てオンラインで行われていました。本来は会社で対面して直接交流するはずの同期の仲間たちとも、実際は会えないことになりましたが、初体験のオンライン交流会や飲み会は新鮮で楽かったです。現在は実務の仕事も少しずつ進んできています。職務能力を向上させながら、引き続き自分なりの貢献をしたいと思っています。
 
2020年10月21日

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