京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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ニュース 本学館院生の長島瑠子さんのオーストラリアでのフィールドワークを紹介します。

総合生存学館 大学院3年生 長島瑠子さんのオーストラリアでのフィールドワークを紹介します。

プロフィール
名前   :長島瑠子
専門   :総合生存学 / 科学コミュニケーション論
機関   :the National Science and Technology Centre Questacon
活動国  :オーストラリア
活動期間 :2020年9月~2020年3月
 
オーストラリアでのフィールドワークはいかがでしたか?活動内容を中心に詳しく教えてください。
現地での生活は、学びと学びと修行、時々お遊び、というような生活でした。
受入先機関は、オーストラリア国立の科学コミュニケーション活動と国民の科学意識向上の為のセンターで、一般来場者向けの博物館施設の公開やサイエンスショーと呼ばれるショーの他、予約制のイベント・ワークショップを多数実施していました。前半3か月間はそういったイベントやワークショップ等の活動、そしてQuestaconと言えばこれ!というほど有名なサイエンスショーを只管見学し、オーストラリアの科学コミュニケーション活動を学ぶ期間としていました。また、時折やってくる日本からのお客様の視察に同行し、必要に応じて解説や通訳を行っておりました。
後半3か月間は、今後行う予定の展示に関して、「観客となる人々が何を考え、何を知りたいと思っているのか」というような事前情報を収集する、Audience researchに関与しておりました。こちらは、毎日毎日資料を探しては読み、纏め、必要に応じて再分析し、要約して纏める、という生活でした。おかげで、英文作成能力が少し向上したように思います。
 
印象に残っている出来事は何ですか?
活動内で言うならば、受入先機関で実施されている幼児科学教育活動を見学したことです。日本では幼児教育が行われていますが、身の回りの科学に関する事柄を正確に教育する機会は非常に限定的だと感じていた私にとっては、「科学館でここまで出来るのか!」という驚きの連続でした。また、キャンベラ在住の、小さいお子様を連れていらっしゃる日本人お母さまたちとも交流をさせて頂きました。その際に、この幼児科学教育活動にどれほど助けられているのか、というお話もお伺いし、益々驚いたことを覚えています。
プライベートで言うなれば、「コアラ」に関係するイベントが印象的です。TOEFLを受験する為に訪れたブリスベンにて、コアラを抱っこしたこともとても素敵な思い出ですが、farewell giftとしてコアラの養い親権を頂戴したことが、最後にして最大の衝撃だったかと思います。人間の子供を授かる前に、コアラの母になってしまいました。
 
最後に、後輩や大学院進学を考えている方へのメッセージをお願いします。
正直に言うなれば、大学院進学や留学、そういったものはあくまで「選択肢」でしかないのだ、ということを再認識して頂きたいです。大学院に進学しても、自分がなりたいものになれるとか、幸せになれるとか、そういう確約を得られる訳ではありません。留学も同じで、留学を目的としてしまうようでは、その留学に意味はありません。「自分はこれをやりたいんだ」という目的を思い描き、そこに至るまでの手段として、大学院進学や留学が必要なのでなければ、凡庸だけれども平穏で安定した将来を選択する方が、ある意味「賢い」生き方ではないでしょうか。

 

京都大学大学院 総合生存学館

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