京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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ニュース 現在武者修行中の学生からお便りが届きました。<その3>

武者修行として、4年次に6ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。

プロフィール
名前  :関 大吉
専門  :総合生存学/太陽物理学
機関  :ケンブリッジ大学の生存リスク研究センター(Centre for the Study of Existential Risk)
     及び応用数学・理論物理研究科(Department of Applied Mathematics and Theoretical Physics)
派遣国 :イギリス
派遣期間:2019年4月〜2020年3月
 
4月に日本を出発してから、早いもので、もう10ヶ月も経ちました。僕は現在、ケンブリッジ大学の生存リスク研究センター(Centre for the Study of Existential Risk)及び応用数学・理論物理研究科(Department of Applied Mathematics and Theoretical Physics)に、客員研究員として滞在しています。太陽爆発現象(太陽フレア)の社会的影響に興味があり、これまで太陽物理学を用いた発生予測について研究してきましたが、こちらでは社会的影響の方により注目し、近年その存在が危惧されている1000年に一度の災害級巨大フレア(https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10681_superflare)が、もし現代で発生したら、我々の生活はどうなってしまうのか、ということを研究しています。
 
10ヶ月の滞在を経て、いま最も強く印象に残っていることは、実は日本のことです。一度母国を長く離れると、これまで「あたり前」だと思っていたいくつかのことが、実は自分にとって掛け替えのない貴重なものだったと気付かされました。卑近な例を一つ挙げますと、僕は「わさび」がその一つでした。自分でも驚きましたが、大切なことは普段は気付かなくて、それが無くなって初めて気付く、よくある話ですが、実際そうでした。みなさんも、自分が本当に大切だと思っているものは、今の生活の外に出てみないと、わからないかもしれません。
 
この武者修行は、渡航先から資金調達まで全て自分でやらなければなりません。おまけに研究室の先生からしたら、その間は研究ができないため、反対・批判される方もしばしばいらっしゃいます。しかし、その分得られるものも大きいと思います。ここ思修館に入る入らないに関わらず、もし可能ならば、自分独自の武者修行を行うと、自分のことがより良くわかって、より豊かな人生を歩めるかもしれません。
 
2020年1月30日
関 大吉


某研究会での集合写真。
もっと前に出ればよかったです。
 

キングスカレッジにて。
 

牛たち。公園によくいます。少し街を離れれば羊たちもたくさんいます。草花や動物など自然豊かな点が、イギリスの素晴らしいところです。

京都大学大学院 総合生存学館

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