京都大学大学院総合生存学館(思修館)

EN

menu

レポート 2019年度武者修行(2)

武者修行として、4年次に6ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。
2019年度の武者修行から帰国した、学生を一人ずつご紹介します。

プロフィール
名前  :中本天望
専門  :総合生存学/税法
派遣機関:経済協力開発機構(OECD)
派遣国 :フランス
派遣期間:2019年4月~2019年10月
 
武者修行はいかがでしたか?業務内容を詳しく教えてください。
とても充実した、素晴らしいものでした。経済協力開発機構で武者修行ができるよう、励んできてよかったです。総合生存学館内外の方々から、多くのサポートを頂いたことも感謝でした。私は学館で、データを用いた国際課税の研究をしていることから、機構では「租税政策・税務行政センター」の「租税政策・統計」という部署に配属されました。部署では、「法人・国際税ユニット」の一員として、多国籍企業の事業地と納税地の関係、国際課税ルールの変更による各国税収の変動、及び租税条約の改定による租税回避行動への影響などに関して、データを用いた分析を行いました。
 
印象に残っている出来事は何ですか?
機構内部で何度もプレゼンテーションしたことです。機構は、様々な分野の政策を、定性的かつ定量的に分析し、その結果を世界に公表することによって、各国の政策や企業の事業戦略に影響を及ぼしています。もっとも、その影響の大きさゆえ、実際に公表されるまで、慎重な検討が機構内部で重ねられます。私も、分析した結果が、各国政府の政策担当者が集まる作業部会で発表されるよう、機構内の関連するユニットや部門の担当者に向けてプレゼンテーションを行い、得られたフィードバックを基に、分析をよりよいものにするということを繰り返ししました。時間がかかり、根気のいるプロセスでしたが、学びも多く、大きなやりがいを感じました。
 
武者修行に関してアピールしたいポイントを教えてください。
何と言っても、様々な人々とともに仕事ができることです。武者修行先では、各国から来た、あらゆる年代の職員の方々と、活発に議論しながら、チーム全体で業務に取り組んでおりました。多様な視点に触れることができたほか、プロフェッショナルとして、仕事と真摯に向き合う職員の方々の姿を間近に目撃できたことは、私の貴重な財産です。また、知っている人が誰もいない国で住むという経験そのものも、とても有意義でした。マイノリティとして暮らす中で、寛容性や挑戦心を育むことができたと思います。
 
最後に、後輩や大学院進学を考えている方へのメッセージをお願いします。
武者修行では、学館で鍛え上げられた、問題設定力、分析力、コミュニケーション力が役に立ちました。その一方で、自分に足らないことが多くあることにも気付かされ、今は、世界に貢献するため、これからも自己研鑽を重ねたいという思いが強くなっています。総合生存学館に入学することで、世界で活躍するための準備をすることができ、よかったです。


OECD 本部にあるシャトーの前で
 

勤務時の様子
 

「租税政策・税務行政センター」が
入居する OECD ブーローニュ

京都大学大学院 総合生存学館

〒606-8306
京都市左京区吉田中阿達町1 東一条館1階
TEL 075-762-2001 / FAX 075-762-2277
MAIL info.shishukan@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp