京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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教員コラム<水本憲治特定助教>

2018年12月に総合生存学館の一員になりました水本憲治と申します。
医学生として卒業以来、12年ぶりに母校に戻る機会を得ました。
 
学生時代は、貧困・飢餓・疾病に直面する弱者の方々の一助となればと、現地NGO団体等と連携し、海外の紛争後の避難民キャンプ等を訪問し、救援物資配布等し、帰国後報告会等を開催していました。一方の当事国の学生の意見を知るため、国際学生会議等へも積極的に参加していました。国際保健医療活動に従事した学生時代からの一貫した行動規範は、対話と共に、弱者のいる「現場」への還元であり、意識していたのはバランスの取れた視点の保持だと思います。
 
在学中の海外公衆衛生大学院留学を機に、感染症対策の専門家を目指すようになりました。臨床医、行政官(医系技官、厚生労働省)として経験を積んでいる際、Evidence based policyの感染症対策・健康政策への導入の必要性を痛感し、感染症数理モデル研究を専門とするようになり、研鑽を積むため、国内外の研究機関を転々とし、直前は、感染症研究のメッカである米国のアトランタで研究に従事していました。
 
研究内容は、グローバル課題としての感染症に対し、統計・疫学・数学・医学・計算機科学等の多岐にわたる手法を駆使して、死亡・流行リスク等を可視化することです。一方で、東日本大震災時には、行政官・医師として被災地入りし、被災地支援活動に従事する等、専門性も活かした社会還元にも携わっており、環境が整えば、支援が必要な現場に入り、今度は疫学調査など、研究者としての専門性も活かしたいと思っています。
 
教育では、現場感覚を有し、将来国内外の機関で勤務を開始したのちにも、真に必要なエビデンスを研究成果として提示でき、また、政策意思決定の現場に還元できるコミュニケーション力を有する人材育成を目指していきたいと思っています。


救援物資の配布の様子

京都大学大学院 総合生存学館

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