京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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ニュース 現在武者修行中の学生からお便りが届きました。<その1>

武者修行として、4年次に6ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。

プロフィール
名前  :田中 勇伍
専門  :総合生存学/エネルギーシステム・公共政策
機関  :国際エネルギー機関(IEA)
派遣国 :フランス
派遣期間:2018年3月〜2019年3月
 
今年度のはじめからパリに事務局をもつ国際エネルギー機関(International Energy Agency;以下IEA)で1年間のインターンシップを行っております。私は思修館の入学前に日本のエネルギー関係の企業で勤務経験がありますが、日本とは全く異なる環境で、レベルの高い専門家の中で仕事をすることは、とても刺激的であり、大変貴重な経験となっています。エネルギーに関わる公共政策を専門とする私にとって、多様な選好や利害関係の調整が必要な持続可能なエネルギーシステムへの転換がどのように実現しうるのか、が研究の大きな関心になっています。IEAはエネルギー専門の国際機関として、主に加盟国・パートナー国に向けた政策分析や提言、データの整備、キャパシティビルディングなどを通して、この転換をリードしようとしています。2017年11月に新興経済国の持続可能なエネルギーシステムへの転換を支援するClean Energy Transitions Programmeが設立され、こうした動きを後押ししています。私は新興経済国のエネルギーシステムの転換に関する分析業務や、パートナー国との更なる関係強化に向けた国際会議の運営等の業務のお手伝いをしています。
 
具体的には、タイの電力システムへの再生可能エネルギー統合に関する分析を行った”Thailand Grid Renewables Integration Assessment”では経済性の分析に関する章を執筆し、”World Energy Outlook 2018” におけるインドの電力システムの分析や、2018年8月にシンガポールで開催された“Clean Energy Investment and Financing Training Programme”の資料の一部として発電事業における用地取得の円滑化に関する分析、その他多くの仕事に関わる中で、国際機関が世界のエネルギー情勢をどのように見ているのか、また、普段自分たちが参照している分析結果がどのように生み出されているのか、などについて少しずつ小さな発見を重ねていっています。
 
既に計画している期間の後半に突入していますが、あくまで今回の滞在が「武者修行」であることを改めて心に留め、これまでに得た経験に満足せず、最後まで修行を続けたいと思います。資金面で滞在を支えてくださっている「トビタテ!留学JAPAN」プログラムをはじめ、多くのサポートに感謝いたします。
 
2018年10月30日 暗くて長い冬の足音が聞こえてきた、雨のパリより
田中 勇伍
 
 
 

▲毎日真面目に仕事をしています。
 

▲同僚と昼休みに「mölkky®」というゲームをしているところ(←仕事が一段落した時だけです!)
 

▲晴れた休日は公園でのんびり時間を過ごす人も多く、水着で日光浴をしている人をよく見ます。冬が近づき太陽が出なくなって初めて、その気持ちが分かるようになってきました。

京都大学大学院 総合生存学館

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