京都大学大学院総合生存学館(思修館)

EN

menu

レポート 2017年度海外武者修行(3)

海外武者修行として、4年次に8ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。
2017年度の海外武者修行から帰国した、学生を一人ずつご紹介します。

プロフィール
名 前 :佐々木 勇輔
専 門 :総合生存学/合成生物工学
機 関 :Joint Bioenergy Institute (JBEI), Lawrence Berkeley National Laboratory (LBNL)
派遣国 :Emeryville & Berkeley, California, USA
派遣期間:10か月(2017年4月~2018年2月)
 
海外武者修行はいかがでしたか?業務内容を詳しく教えてください。
私の専門領域を牽引するアメリカ、特に次世代のバイオエネルギー生産に焦点を当てた国立研究機関に赴任しました。現地では、将来のバイオ燃料の中核となりうる物質生産を目指し、微生物自体の改変や培養環境の条件検討などを行いました。武者修行中は、上司への報告・相談を毎日行い、ミーティングの資料作成、報告書の執筆なども担当しました。
 
印象に残っている出来事は何ですか?
多くの素晴らしい研究者と協力し、また互いに切磋琢磨しながらプロジェクトを進めることができた日々全てが心に残っています。特に、LBNL管轄のABPDU(Advanced biofuels and bioproducts process development unit)にて、Bioreactorの操作手技とscale-upのプロセスをon-the-job trainingで学べたことが印象深いです。この経験は、基礎研究の段階で生産可能になった物質を、産業利用の段階までscale-upする際、どのような要因を考慮すべきか、またどのような分野の知識が必要なのかを知る第一歩となりました。
 
海外武者修行に関してアピールしたいポイントを教えてください。
今回の海外武者修行先を決断するまで、紆余曲折があり、「どの選択をすべきか、またその選択は正しいのか」と常日頃から自問自答していました。その決断において、「主体的な行動」と「たとえ不可能に思えても、挑戦することに価値があり、挑戦しないことは一生の後悔となる」を意識していました。私は、(1)自分で情報を集める、(2) 自分の頭で考える、(3) 行動する(他者と相談、現地視察など)、この(1)〜(3)のプロセスを何度も繰り返すことで、最終的に自分で納得のいく決断を下せたと思います。私の自由意志を温かく見守りサポートしてくれた先生には大変感謝しています。海外武者修行は、自分を見つめ直すよい契機となり、さらに、海外で視野を広げつつ学ぶことができる機会だと思います。
 
最後にメッセージをお願いします!
現地では、いい意味でお互いに批判し合うことで、個人の意思を明確にし、それを尊重し合う風潮がありました。それは、「一般的にこう言われているから」、「みんな(?)がそうするから」といった暗黙の、自分勝手に決めつけた固定観念に囚われていた私の意志を大きく変革させる契機となりました。今後、私は自分の掲げる目標や知的好奇心に従い、周囲を気にし過ぎず、流されず、自分と真摯に向き合って、勉強と研究を続けていきたいと思います。これまでサポートして下さった総合生存学館の先生や事務部の方々、リーティングプログラム等の多くのご支援に、この場をお借りして深く御礼申し上げます。

▲LBNLからサンフランシスコを含むベイエリアを一望
 

▲UC Berkeley校内には多数のリスが生息
 

▲ヨセミテ国立公園にて現地で知り合った方々とキャンプ
 
 
 
 
 

京都大学大学院 総合生存学館

〒606-8306
京都市左京区吉田中阿達町1 東一条館1階
TEL 075-762-2001 / FAX 075-762-2277
MAIL info.shishukan@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp