京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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レポート 2017年度海外武者修行(1)

海外武者修行として、4年次に8ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。
2017年度の海外武者修行から帰国した、学生を一人ずつご紹介します。

プロフィール
名 前 :桐山京子
専 門 :総合生存学/保存科学
機 関 :The Getty Conservation institute, Science Dept.
派遣国 :アメリカ,ロサンゼルス
派遣期間:10か月(2017年4月1日~2018年1月31日)
 
海外武者修行はいかがでしたか?業務内容を詳しく教えてください。
私の専門は文化財の保存方法を研究する保存科学という学問なのですが,今回の武者修行ではThe Getty Conservation InstituteのScience Dept.の中にあるBuilt Heritage Research InitiativeのSandstone Conservation Projectに配属され,砂岩の劣化を遅らせるための薬剤の効果の評価を行っていました.まずは実験で扱う砂岩を何種類か選定し,薬剤塗布前の砂岩の物性値の測定や薬剤塗布後の物性値の変化の評価を行っておりました.武者修行では基本的に研究室で実験をしておりましたが,その他にも共同研究先の研究者とスカイプミーティングを行い,報告書の執筆を担当しました.
 
印象に残っている出来事は何ですか?
研究に集中できる環境が整っており,多くの研究者がのびのびと研究に打ち込んでいる様子が印象的でした.具体的には,スタッフの役割分担がしっかりしており,研究者は書類仕事や雑用が少なく,実験やミーティングに集中できる環境でした.職場の雰囲気はオープンで,他のプロジェクトのメンバーや外部機関の研究者との交流も盛んであり,何か疑問等があればいつでも議論は歓迎されていました.
また,勤務時間や勤務形態も柔軟で,仕事と子育てを両立している方も多くいるなど,それぞれのライフスタイルに合った働き方が実現されている職場でした.
 
海外武者修行に関してアピールしたいポイントを教えてください。
インターンシップという形をとっている海外武者修行は,言葉の壁だけでなく,労働環境や文化等も日本とは全く異なる中で成果を上げなければならず,日々発見と挫折,試行錯誤の連続でしたが,それでも自分に出来ることは何かを日々考え,実行していく毎日を経験できたことは,自分の中で大きな財産になりました.また,将来海外でのキャリアを築いていくことを考えている人にとっては,この武者修行が大きな足掛かりになると思います.
 
最後にメッセージをお願いします!
総合生存学館の先生方や事務部の方々をはじめ,現地での上司やプロジェクトメンバーにも恵まれ,本当に様々な方のおかげでこの海外武者修行を無事遂行することができました.本当にありがとうございました.

▲出張で行ったポンペイの大劇場です.
 

▲The Gettyは丘の上にあるので
ロサンゼルスを一望できます.
 

▲The Gettyの中庭とMuseumの建物です.ローマ近郊から運んできた travertineという石灰岩を多く用いた白を基調としたデザインです.

京都大学大学院 総合生存学館

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