京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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レポート 2016年度海外武者修行(1)

海外武者修行として、4年次に8ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。
2016年度の海外武者修行から帰国した、学生を一人ずつご紹介します。

プロフィール
名 前 :今村 達哉
学 年 :4年次
専 攻 :総合生存学/行政学
機 関 :国連開発計画(UNDP)東ティモール、ガバナンスユニット
派遣国 :東ティモール、ディリ
派遣期間:9か月(2016年4月18日~2017年1月18日)
 
海外武者修行はいかがでしたか?業務内容を詳しく教えてください。
私が所属するガバナンス部門では主に司法、選挙、警察の支援を行っています。
ガバナンス部門が支援する警察の活動のうち、私が主に従事したのは広報や、家庭内暴力の被害者を支援する活動です。地方出張を通して家庭内暴力被害者への警察からの支援状況についてのレポート作成、家庭内暴力などの被害者支援のためのシェルター建設についての企画書を現地のNGOや民間企業、日本大使館の方とミーティングを重ねて作成する機会に恵まれました。残念ながら本企画は今回のインターンシップ中に実現することができませんでしたが、修正を加えることで来年度には実現できるように調整しています。
 
印象に残っている出来事は何ですか?
印象に残っている出来事は、選挙に関する業務です。選挙事業では、カウンターパートとのやり取りの中で、緊急の案件に巻き込まれることが多くあります。たとえば、「3時間以内に6万枚の書類を印刷してくれ」というような依頼です。UNDPには公平性、透明性を厳守するためのいくつかの調達プロセスがあり、長期契約を結んでいないと時間がかかります。さらに、東ティモールならではの難しさもあります。東ティモールではメールの返信には期待できませんし、電話に出ないことも多いので、すべての取引先を実際に訪問する必要があります。調達担当者にこの依頼事情を説明し、時間的制約がある難しい案件でも極力処理しようと、複数の印刷会社に注文を分散することで期限に間に合いました。調達部門や印刷会社と普段から良好な関係を構築していたことで適切なプロセスを柔軟かつ迅速に運用し、良心的な協力を引き出すことができたことを非常にうれしく思いました。
 
海外武者修行に関してアピールしたいポイントを教えてください。
海外武者修行を通して、国際感覚を身に付けることができたと思います。職場では様々な国籍の同僚と英語でコミュニケーションを取っています。私は英語が不得意だったので、インターンシップの開始当初は英語での会話に苦労しました。昼休みにも会話が理解できなくて、一言も言葉を発しないこともありました。悔しかったことと毎日の生活を楽しくしたかったことも相まって、英語での会話が必要な友人と時間を共有するようにしました。その努力が奏功したのか、様々な国の同僚とランチを楽しむこともできるようになりました。
 
今村さんの海外武者修行の活躍を紹介されたURL等があれば、教えてください。
UNDP駐日事務所のホームページで紹介されました。
http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/presscenter/articles/2017/01/26/timor.html
 
最後にメッセージをお願いします!
海外武者修行を通して、国際感覚や実務家の視点を身に付けたことは私の財産になっています。5年間のプログラムの中でかけがえのない9か月になったと心から思います。苦しい時期もありましたが、困難を乗り越えたいまは、渡航前の自分とは別人のようだと感じます。


選挙関連のポスターを掲示している様子。
 

オフィスの同僚と打ち合わせをしている様子。
 

カントリーディレクターや同僚と
柔道をしている様子。

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