京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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レポート 2016年度海外武者修行(3)

海外武者修行として、4年次に8ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。
2016年度の海外武者修行から帰国した、学生を一人ずつご紹介します。

プロフィール
名 前 :長沼 祥太郎
学 年 :4年次
専 攻 :教育学
機 関 :Australian Council for Educational Research (ACER),
     Assessment and Psychometric Research Division
派遣国 :オーストラリア、メルボルン
派遣期間:7.5か月(2016年8月15日~2017年3月24日)
 
海外武者修行はいかがでしたか?業務内容を詳しく教えてください。
業務では、国内外の教育テスト開発、国際テストの結果分析と報告、教育政策に関する文献レビューとレポート執筆、学習教材の開発など10以上の様々なプロジェクトに関わりました。特に教育テストでは、全国学力テストのような基礎的なテストから、最先端の科学研究を参照しながら作られる才能児発掘のためのチャレンジングなテスト、そして科学を数学やエンジニアリング領域と結びつけた先端的な出題形式のSTEM統合型テストまで、まさに世界の最先端のテスト開発プロジェクトに参加させていただき、非常に有意義で刺激的な8ヶ月となりました。
 
印象に残っている出来事は何ですか?
最も印象に残っているのは、ACERでの業務、特にテスト開発に通底する考え方でした。日本において教育評価に関して研究をしていた私にとって、テストはあくまでも現在の生徒の学習状況を理解し、教師がその後の教育活動に使用するための資料として位置づけておりました。しかしながら、ACERで最初に学んだのは、テストを問いていく中で、生徒たちがその分野の学習に関心を持てるような、面白いテストを作ろうという考え方でした。この考え方は、テストとはあくまでも単なる測定ツールだと考えていた私にとって衝撃的でした。
 
海外武者修行に関してアピールしたいポイントを教えてください。
大学院のカリキュラムとして財政的な支援を受け海外でインターンを行うということは、大学を休学して自費でインターンを行うこととは異なるのだと実感しました。武者修行には、少しでも多くの知識と経験を得ようという、ある種の使命感が伴います。単に業務をこなすだけでは不十分であり、常に「この経験から自分は何を学んで、何を還元できるのだろうか?」と自問する機会にさらされます。これはときに自身に大変重くのしかかってきましたが、武者修行でこそ得られる大変貴重な機会であり、これが私自身を度々奮い立たせてくれました。
 
最後にメッセージをお願いします!
武者修行中は、専門的な業務をうまくこなせても、政治や経済に関する専門外の話題にはついていけず、自分のレベルを知って落ち込むことが度々ありました。英語力が足りないのではなく、知識が足りないのだと。このことに気づくには、やはり日本の中だけにとどまっていてはダメなのだと、痛感しました。是非とも世界に飛び立って、今の自分の姿をよりクリアに捉えて、前に進んでほしいと思います。


▲会社のデスク
 

▲テスト開発プロジェクトチームのメンバーと
 

▲上司との議論
 

▲上司と動物園にて
 

▲最後の夜のホームパーティ

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