ニュース 本学館院生が筆頭著者となっている論文が、学術誌『Astrophysical Journal Letters』に受理されました。
太陽では、しばしば爆発現象が発生します。この太陽爆発現象は、人工衛星の故障や大規模停電という形で現代社会に大きな影響を及ぼすことが危惧されており、このため現在世界中で太陽爆発現象の予測研究が行われています。
今回、総合生存学館大学院2年生の関大吉さんを筆頭とする京大研究グループは、太陽爆発現象の一つ、フィラメント噴出の予測に必要な前兆現象を、世界で初めて定量的に得ることに成功しました。研究グループは、京都大学飛騨天文台の太陽全面画像観測装置SDDI(Solar Dynamics Doppler Imager)を用い、フィラメントという「太陽大気中に浮遊する低温高密なプラズマの塊」の内部運動の活発さを定量化したところ、フィラメントが爆発する(=フィラメント噴出)約1時間前に、その値が急上昇することが明らかになりました。本成果により、フィラメントは内部運動の活発さを定量的に追うことで、その爆発を予測できることが示唆されました。
題 名:
INCREASE IN THE AMPLITUDE OF LINE-OF-SIGHT VELOCITIES OF THE SMALL-SCALE MOTIONS IN
A SOLAR FILAMENT BEFORE ERUPTION
雑誌名:
The Astrophysical Journal Letters
著者名:
Daikichi SEKI, Kenichi OTSUJI, Hiroaki ISOBE, Takako T. ISHII, Takahito SAKAUE, and Kumi HIROSE