京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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ニュース 本学館院生がインターンシップ先から無事帰国しました。

総合生存学館大学院1年生の大村榛菜さんは、一年間休学して、2016年10月から2017年4月までをインターンとして、2017年5月から9月までをコンサルタントとして、ユネスコのバンコクオフィスで活躍しました。大村さんの一年間の活躍をご紹介します。

プロフィール
名前   :大村榛菜
専攻   :総合生存学 / 教育政策
機関   :国際連合教育科学文化機関(UNESCO)バンコクオフィス
派遣国  :タイ
派遣期間 :2016年10月~2017年4月(インターン)
      2017年5月~2017年9月(コンサルタント)
 
インターンに挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?
卒業後のキャリアとして国際機関での勤務を選択肢の一つとして考えていたため、在学中に現場を見たいという思いがありました。実務経験を得ることで、研究を進める上でも良い刺激になると考えていたため、インターンをさせていただくことにしました。
 
業務内容を詳しく教えてください。
コミュニケーションコンサルタントして、パブリケーションの作成やメールマガジンの編集、ホームページの管理などを担当していました。また、教育行政官向けの研修の実施や、リサーチ、レポートの作成、企画書の執筆なども行っていました。
 
印象に残っている出来事は何ですか?
私はNon-formal Education and Literacy Teamに所属しており、特にラオス、ミャンマー、タイでの基礎教育に関するプロジェクトに力を入れていました。一度、ラオスの南部サラワン県にある学校を視察させていただく機会があったのですが、それが最も印象に残っています。ユネスコバンコクはリージョナルオフィスであるため、普段の業務の中心は規模の大きな会議の開催や種々の調整業務です。そのため、フィールドで仕事をする機会があまりありません。ともすると、目の前のデスクワークだけに終始してしまいがちです。しかしながら、悪路の中を数時間かけて運転して、村の学校にたどり着き、実際の授業風景や、教師・生徒たちの様子、校舎の佇まいを目にすることで、自分のやっている業務がどこにつながっているかということを実体験をもって再確認することが出来ました。また、現地では教師への聞き取り調査を実施したのですが、教師・教材の不足や年齢の異なる子どもたちを(同一学年として)一度に教えることの難しさなど、様々な課題が挙げられた一方で、「教育が生徒の将来につながる」という強い信念もって職務にあたっていることが伺え、頭が下がる思いがしました。こういった現場の教育関係者の方や生徒たちに報いるためにも、政策担当者に働きかけをきちんと行うような仕事をしなくてはいけないなと感じました。
 
インターンシップの前後でどんな変化がありましたか?
国際機関で働く際にとりわけ必要なスキルというのはあると思いますが、「自分の能力を活用して貢献する」という意味合いにおいては、日本の組織であろうと海外の組織であろうと変わらないという(ある種当たり前の)ことを身をもって実感しました。大学卒業後に就職した先は、典型的な日本型組織だったのですが、そこで培った仕事への姿勢は今回ユネスコで働くうえでも役に立ちました。例えば、前職で求められていた「どんなボール(仕事)を投げられても対応する」というのは、年次の若い新人が雑用含め何でもこなすことを求められる傾向にある日本的な文化だと思うのですが、比較的明確な分業体制を取っている(今回の)インターン先でも同様に幅広く何でもこなしていたことで、徐々に周囲に認められるようになりました。インターン前は不安でいっぱいでしたが、今回の経験を通じて、仕事の根本は変わらないと学ぶことができたのは収穫でした。これによって、以前よりも「あらゆることは全てつながってくる」という意識をより強く持てるようになったと思います。同時に、特殊な環境であるからこそ見えてくる自分の強み、弱みを再認識することもありました。その体験から、多角的に自分を見つめるために自らを様々な環境に置いてみることの大事さも痛感し、新しい場所で挑戦することに対してより意欲的になりました。


▲バンコクオフィス(外観)
 

▲ラオスでの学校にて、授業を視察
 

▲ラオスの田園風景
 

▲勤務最終日にチームメンバーと撮影
(2017年9月)

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