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三井E&S玉野工場を訪問しました。
2025年8月4日エネルギー資源研究グループのメンバーが、岡山県にある株式会社三井E&Sの玉野工場を訪問する機会をいただいた。今回の視察は、船舶の代替燃料やエンジンの革新を通じて我が国における海上輸送の脱炭素化を主導する同社の現況を探ることを目的とした。
参加者は、総合生存学館(GSAIS)の長山浩章教授と学生、エネルギー科学研究科のSiti Marsila Mhd Ruslan博士研究員、東京電力の穴井室長らである。三井E&S舶用推進システム事業部の後藤部長、大野グループ長、島田様、中山様に対応いただいた。
三井E&Sは舶用エンジン業界での長い歴史を持ち、1926年にデンマークB&W社(現Everllence)と技術提携を結んで以来、単一ブランドのエンジンを製造し、2025年3月末時点で累積製造台数は7,500台を超えている。大型のコンテナ船、タンカー、自動車運搬船などに搭載する低速舶用エンジンの国内シェアは55%超えと圧倒的である。
国際海事機関(IMO)が定めた気候変動規制に対応するため、三井E&Sは脱炭素化に注力している。現在、代替燃料として最も広く採用されているのはLNGで、次いでメタノールである。アンモニアは、取扱基準とインフラ整備計画がまだ開発中であり、海運・造船業界全体で脱炭素化の最有力候補として船舶と機器の開発や安全面を含めたルール作りを進めている。

図1:左から穴井室長(東京電力)、大野グループ長(三井E&S)、後藤部長(三井E&S)、長山浩章教授(京都大学)、Faiqa FUAD氏(京都大学)、Siti Marsila MHD RUSLAN氏(京都大学)。
会社と主要設備の概要の説明をいただいた後、工場エリアの見学させていただいた。見学ルートは、二元燃料エンジン試運転のためのLNGやメタノールの燃料供給設備、溶接・機械加工エリア、大型舶用エンジンの組立・試験が行われる重機工場などであった。また、アンモニア供給設備やLPG供給設備、アンモニア焚きエンジンのテストベッドも見学させていただいた。

図2:アンモニア供給施設 (出典:https://www.mes.co.jp/en/action/ammonia-engine-project/ )
工場見学では、アンモニア焚き二元燃料エンジンの開発に積極的に取り組んでいる日本でも数少ない施設のひとつを直接見ることができた。試験中のプロトタイプ・エンジンは、少量のパイロット・ディーゼル燃料でアンモニアによる燃焼をサポートしている。

図3:アンモニア焚きデュアルフューエル・エンジン7S60ME-C10.5-LGIA-HPSCR外観(出典:https://www.mes.co.jp/en/action/ammonia-engine-project/ )
今回の訪問により、舶用エンジンの現状について視察し、カーボンニュートラルへの移行が加速している現状について実践的な視点を得ることができた。これらの二元燃料エンジンを搭載する船舶においては、従来の重油タンクに加えて新燃料のタンク及び供給システムを搭載するスペースが必要なことも判った。
