個々の希望に沿った学修設計が可能なカリキュラム
社会課題の解決を目指し、学生は自らが提案するテーマで主体的に研究を行います。
前期2年は、確かな専門軸の形成と、それを総合知へと発展させるための基礎的能力を、体系化された3つの教育コース(選択)で修得します。
後期3年は、専門軸を基礎とした研究を発展させ、融合型研究を行う「学際研究コース」、専門軸を基礎とし国内外研修である武者修行・PBRを中心とした実践型研究を行う「社会実践コース」のいずれかにおいて博士(総合学術)学位の取得を目指します。
総合生存学館の新教育課程
前期2年(修士課程相当)
博士前期の2年間を専門軸形成と、専門知を総合知へ発展させるための基礎的能力を修得する期間とします。
前期2年を総合生存学館または学生の研究テーマに応じた本学各研究科において必要な科目を履修し、研究指導を受けます。あわせて、後期3年で「専門知」を「総合知」に発展させるための取り組みに備え、総合生存学コースを中心とした科目履修・研究指導を受け、その成果を修士論文相当にまとめます。
総合生存学館の3年次進級要件は、修士課程修了要件に相当する単位を修得し、総合生存学館や学修する研究科で研究指導を受け、かつ、修士論文相当を作成して「合格」評価を受けた上で、総合生存学館の行う審査及び試験に合格することとします。
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- 総合生存学館で専門軸を形成する場合
前期2年を学館教員のもとで研究指導を受け、必要な科目を履修し専門軸を形成します。また、国内外サービスラーニングにて、地域コミュニティや途上国における社会課題に触れ、実践的な学びを通じてリーダーに求められる俯瞰力、行動力、コミュニケーション能力などを修得します。
- 他研究科で専門軸を形成する場合
前期2年を学内他研究科教員のもとで研究指導を受け、当該研究科の修士課程の専門科目を履修し専門軸を形成します。
なお、いずれの場合でも学館で実施する総合生存学研究会への参加・発表、下記の総合知コース履修により、それぞれの専門知を総合知へ発展させるための基礎的能力を身に着けます
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3つの教育コース(総合生存学)
地球規模課題の解決のため、専門領域の枠にとらわれない多様な「知」の融合により、知の活力を生む「総合知」の基礎力を養うことが本コースの目的です。総合生存学館や他研究科の特色ある科目を編成し、3つの分野でコースを展開します。
- サスティナビリティ総合知コース
本コースは、カーボンニュートラルで持続可能な社会の実現に向け、俯瞰的視野で環境問題(海洋プラスチック汚染、循環型経済、再生可能エネルギー政策など)の解決に取り組むために必要となる総合知の基礎力を養うことが目的です。 自分の専門に加え、国際情勢・経済・物質などの多角的な側面から現在直面している環境問題にアプローチする知見を得ることが本コースでは可能となります。サステナビリティの複雑な構造の理解を深め、文理の枠を超えて分野横断的に学術研究が進められるよう、総合知の習得と分野横断的な学術研究方法についても講義します。
- ウェルビーイング総合知コース
本コースは、近年注目されているウェルビーイング(身体的・精神的・社会的にも良好な状態)の社会的背景について理解を深め、これらの領域における具体的な実践的問題解決方法について主体的に考えるための総合知の基礎力を養うことが目的です。この目的を達成するために、ウェルビーイングに関する基礎的な知見について、人文・社会科学/自然科学にまたがり学際的に解説します。
コースの中で、総合知の習得と分野横断的な学術研究方法についても講義します。
- フロンティア開発総合知コース
本コースは、現代社会のフロンティアとして宇宙開発(月、火星、宇宙空間などでの基地建設や資源探索など)および国際開発(途上国支援、平和構築、制度改革など)を取り上げ、これら領域における課題解決の具体的な実践方法を自ら考えるための総合知の基礎力を養うことが目的です。この目的を達成するために、宇宙開発および国際開発の双方に関する基礎的な知見について、いずれかの領域に焦点を当てながら学際的に学びます。
後期3年(博士後期課程相当)
博士後期の3年間を「総合学術」の学位取得に向けた「総合」の取組みを発展させる期間とします。
各学生が前期2年で形成した専門軸をベースに研究計画を策定し、それに応じて「学際研究コース」または「社会実践コース」を選択して、学生ごとのテーラーメイドカリキュラムを編成します。
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- 学際研究コース
複合的最先端研究に必要な学際的研究力を持つ博士人材を養成するコース
修士学位相当の学術分野を専門軸とし、引き続き同じ分野、または、異なる分野の専門領域を修得しつつ、総合生存学の観点と融合させ、その学修・研究成果を博士論文にまとめます。
- 社会実践コース
研究の社会実装に重点を置いた実務的・実践的博士人材を養成するコース
修士学位相当の専門軸を基礎として、引き続き専門領域を修得しつつ、研究成果を社会実装するための国際実践(武者修行・PBR)により得た成果とあわせて、総合生存学に資する学修・研究成果を博士論文にまとめる。