NEWS
- お知らせ
アリゾナ大学Biosphere2にて、予備実験を行いました。

2025年3月8日・9日に、アメリカ合衆国アリゾナ大学でBiosphere 2における居住環境実験を行った。今回は予備実験の扱いであるが、Biosphere2が持つ、熱帯雨林モジュール、人工海洋モジュール、砂漠モジュール、サバナモジュールそれぞれにおいて、その中にて活動する際、それぞれのバイオームが身体的・心理的にどのような影響を与えるかを、アンケートや身体調査によって計測し、宇宙居住において、これらのバイオームが必要になるかどうかについて、さまざまな面から評価することを目的としている。
宇宙移住のための三つのコアコンセプトでは、宇宙移住を安定的に実現するために、地球生態系の一部、すなわちコアバイオームの重要性を述べている。しかし、現在進行形の宇宙開発においては、生命環境維持装置の運用が絶対的に重要であり、特に酸素・水・食料・エネルギーの確保と、二酸化炭素と排泄物・廃棄物の処理が何よりも優先される。それ以上の自然環境については、快適性を増すための要素として考えられており、自然そのものの移転が重要ということで認識されてはいない。それに対して、1991年に始まったBiosphere 2の実験では、当初から地球生態系の一部を宇宙移住の重要要素として定義し、これらとの共存関係が人類が他の惑星で居住するための重要条件と考えている。しかしながら、Biosphere 2の環境維持には非常に大きなエネルギーとメンテナンスが必要であり、Biosphere 2では、圧力チャンバー、温度管理棟の他、それぞれのバイオームの生存種のモニタリング活動を継続的に行っており、その種の管理を行なっている。それらの努力が、その中で活動する人間にどのような好影響を与えうるかの評価で、これらの実験においては、山敷教授を中心に、森下至子氏(大学院総合生存学館)、寺田准教授(理学研究科SAKURA)が研究を実施している。先方からは、Deputy DirectorのJohn Adams 氏が指導を行った。今回アメリカからの参加学生は4名で、二日間の実験参加とともに、John Adams氏と山敷教授の指導と、夜には星座と系外惑星についての講演を行った。