研究室概要

研究テーマ

医学、社会医学

キャッチフレーズ

 健康社会の構築

概要

「健康な社会の構築」は日本のみならず世界で求められている課題です。この課題を解決するためには、まずヒトの身体についての基本的なこと、すなわち人間社会の中で、「どのような環境のもとで病気が生じるのか」「その際ヒトの身体でどのような変化が生じるのか」、また「ヒトはどのような方法で病気にならないように戦っているのか」と言った知識の修得が必要です。さらにそうした知識を持った上で、「健康な社会」を構築するためには、どのような制度を構築すべきなのかを考え、実践することが重要です。私の研究室では、こうした考えのもとに、まず生物としてのヒトの身体の構造や、病気の生じ方、について学ぶと同時に、社会の中での、病気の予防、病気の治療、さらに子供の発育・発達支援、介護・看護のあり方、などを模索して行きます。

研究内容

1.医学についての基礎的な研究

医学研究は発達、老化、という基本的な流れの中に、発達障害(身体も精神も含む)、生活習慣病、がん、遺伝病など様々な疾患をカバーしていますが、本研究室では、そうした医学についての基礎的な研究を支援します。

2.健康社会を築くための問題点の解明と、その解決法についての社会医学的研究

ヒトの健康を維持し、疾病を予防するためには、上記の基礎的な医学研究に加えて、健康社会を維持する制度の確立が必要です。私達は、国内外における、一般コミュニテイ及び社会制度の様々な問題点(育児、高齢者医療、介護、発展途上国における衛生・保健行政など)を研究することによって、それに対する解決策を模索しようとしています。

求める学生像

広く「健康社会を築く」という観点で、将来的に国内外で活躍したい、という学生を求めています。具体的には、難病患者の支援、精神医療・看護、子供の発達支援、高齢者医療支援、国内外の保健行政、などに貢献できる人材を養成したいと考えています。さらには健康を維持する為の「食」について様々な方向から活躍できる人材、また健康増進機器、医療機器などの開発に関われる人材なども養成します。

経歴

1981年神戸大学医学研究科内科学選考博士課程修了。医学博士。1974年から神戸大学医学部附属病院にはじまって、市立宇和島病院、三木市民病院などで内科医(消化器内科医)としての研修を積む。1983〜1985年米国ミシガン大学消化器内科学講座の研究員。1989年神戸大学医学部老年医学講座教授。1995〜2015年京都大学大学院医学研究科消化器内科学講座教授。その間、京都大学医学部附属病院副院長、京都大学がんセンター長、京都大学医学部副学部長(副研究科長)を歴任。現在厚生労働省指定難病検討委員会委員長、厚生労働省難治性疾患克服研究事業研究班班長など。主な研究分野は、癌の発症機序についての研究、消化管免疫、消化器の自己免疫性疾患についての研究、疾患と遺伝子異常についての研究。

発表論文・著書

Science, Nature Medicine, Nature Genetics, Journal of Clinical Investigation, Lancet, Annals of Internal Medicineなど英文論文約750編、英文著書25編 Proton Pump Inhibitors」Karger (2013)、「Autoimmune Pancreatitis」 Springer(2015)、 「Immune mechanisms of pancreatitis」 Elsevier(2015)。和文教科書「カラー版消化器病学」(西村書店)、「内科学」(中山書店、文光堂)、専門医のための消化器病学」(医学書院)、「看護のための最新医学講座、消化管疾患」(中山書店)など15編。