最先端の、その先へ ――

月や火星にサンゴの海をつくりだしたい
誰もが老いることをおそれない社会にしたい
避難⺠が避難後でも安⼼して⽣きていける世界にしたい
消滅しつつある言語に光を当てたい

2025年、
総合生存学館の学びが変わります。

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2025年度入学生からのカリキュラムについて

総合生存学とは「人類と社会の生存」を基軸に分野横断型のアプローチで社会課題の解決を目指す学問です。現代のグローバル社会は極めて複雑化しており、単独の学問だけでは様々な課題を解明して有効な解決策を提示することが困難となっています。総合生存学では、人類と地球社会の生存に関わる地球規模課題について、種々の学術分野を結びつけ、編み直し、駆使して複合的な社会課題の発掘・分析と定式化・構造化を行い、社会実装までの解決を目指します。
「総合生存学」という分野横断研究においては、地球規模課題の解決を目指す人材が身に付けるべきものとして、単一研究分野のみにとらわれない幅広い見地と課題解決策の提案手法の習得能力などが求められます。これらを入学後に涵養するにあたり、その前提として必要とされる学術的基礎能力(専門軸)を修得するため、令和7(2025)年度入学者からのカリキュラム及び入学者選抜方法を以下のように変更します。

前期2年間で研究分野の専門軸を着実に形成

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カリキュラムの変更点1

博士前期課程(修士課程)の2年間を専門軸形成の期間とします。
前期2 年を総合生存学館または学生の研究テーマに応じた本学各研究科において必要な科目を履修し、研究指導を受けます。あわせて後期3 年の「総合」の取り組みに備え、総合生存学コース(仮称)を中心とした科目履修・研究指導を受け、その成果を修士論文相当にまとめます。総合生存学館の3年次進級要件は、修士課程修了要件に相当する単位を修得し、総合生存学館や学修する研究科で、研究指導を受け、かつ、修士論文相当を作成して「合格」評価を受けた上で、総合生存学館の行う審査並びに試験に合格することとします。

博士前期課程(修士課程)の2年間

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カリキュラムの変更点2

博士後期後期の3年を「総合学術」の学位取得に向けた「総合」の取組みを発展させる期間とします。
各学生が前期2年で形成した専門軸をベースに研究計画を策定し、それに応じて「学際研究コース」または「社会実践コース」を選択して、学生ごとのテーラーメイドカリキュラムを編成します。

博士後期課程の3年間

学際研究コース

総合生存学館及び関係する研究科教員による研究指導・科目履修

前期2年の専門軸を基礎とし、総合生存学館の指導教員と、引き続き前期2年の指導を受けた教員または前期2年と異なる領域の教員の研究指導を受け、その学修・研究成果を博士論文にまとめます。

社会実践コース

総合生存学館教員による研究指導・科目履修、武者修行・PBR

前期2年の専門軸を基礎とし、総合生存学館教員の研究指導を受け、武者修行・PBRと合わせた学修・研究成果を博士論文にまとめます。

総合生存学館の修了に際しては、博士(総合学術)が授与されます。

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令和7(2025)年度入学者に係る選抜方法の概要

総合生存学館の「一般選抜」により入学を希望する者は、総合生存学館に出願書類を提出するものとし、(1)(第一次試験)に合格と判定された者を対象として、(2)(第二次試験)を実施して入学者を選抜します。

(1)第一次試験

入学後に総合生存学館において自らが取り組みたい課題の解決にとって必要な学術的基礎(専門軸)となる学問領域を選定し、その学問領域の研究分野等がある本学の研究科(専攻)(※)を一つ選択して、総合生存学館に出願の際にその研究科(専攻)を届け出る。その研究科(専攻)が実施する修士課程の一般選抜の入学試験

(2)第二次試験

総合生存学館が実施する口頭試問
(※)文学研究科、教育学研究科、法学研究科、経済学研究科、理学研究科、医学研究科、薬学研究科、工学研究科、農学研究科、人間・環境学研究科、エネルギー科学研究科、アジア・アフリカ地域研究研究科、情報学研究科、生命科学研究科、地球環境学舎

詳細な入学者選抜方法については、入試情報のページをご覧ください。

募集要項のページはこちら

Students Voice

VOICEVOICE 01

月や火星に、サンゴの海をつくりだしたい

総合生存学専攻 1年生 清水海羽さん

総合生存学専攻 1年生 清水海羽さん

現在の指導教員である山敷庸亮先生に出会ったのは、高校生の時。文部科学省が主導していた高大連携の取り組みがあり、そこで山敷先生にお会いし、総合生存学館の存在を知りました。その後、大学では農学部で植物の研究をしていたのですが、山敷先生とはご縁があり、交流が続いていました。そんななかで、総合生存学館に進めば、以前から興味を感じていた宇宙に関する学問と植物の知識を足し合わせた研究ができるのではないかと考えました。研修施設での生活には不安もありましたが、新入生歓迎パーティやクリスマスパーティなど独自のイベントもあり、留学生たちともすぐに打ち解けることができました。現在は、地球とは異なる環境下でサンゴを中心とした持続的な生態系を確立させるための研究を進めています。人類が地球外の星に長期移住するために必要な研究だと考えていますが、同時に地球の自然環境保全に役立つものでもあります。今後は研究を深めるために大規模実験施設があるアリゾナ大学への武者修行(インターンシップ)も考えていています。自分が思い描く研究ができ、それを世界的な幅で、実際に活かせるレベルに持っていけるのが総合生存学館の魅力。やりたいことがある人はぜひ挑戦する心を持って仲間に加わってください。きっと楽しい生活がまっていると思います。

VOICEVOICE 02

消滅しつつある言語に光を当てたい

総合生存学専攻 2年生 野村紀帆さん

総合生存学専攻 2年生 野村紀帆さん

もともと言語に興味があり、大学時代は英語以外に10言語を学び、さらに認知言語学という分野で言語の研究を進めていました。そんな時期に総合生存学館のワークショップでネットワーク科学を学び、このアプローチで言語を研究したいと思ったのが入学のきっかけです。現在は世界で使われる約7000の言語が互いにどんな関係にあるのか、ネットワーク科学の手法を用いて全体像を明らかにする取り組みを進めています。これまで縁のなかったプログラミングの学習から始めたので最初は苦労しましたが、今まで見えていなかった関係性が明らかになるのは興味深いです。現在、世界では3000もの言語が話者の減少によって消滅の危機に瀕していると言われていますが、この研究は現状を詳らかにし、言語の保存に必要な政策や教育プログラムの策定に役立つものだと考えています。総合生存学館には様々な言語を話す留学生がいるため、言語を勉強する私にとっては打って付けな環境です。また、それぞれが異なる研究をしているため、多様な観点から研究について議論できます。研修施設のラウンジに行くといつも誰かがいて、研究の話以外の他愛もない会話が学生生活の癒しになっています。他の研究会の学生と交流する機会も多くあり、今までとは違うことがやりたいという人には、総合生存学館は理想的な環境。新しいことを一から学ぶのは大変ではありますが、それも含めて楽しい場所になると思います。

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