京都の名園と環境 | 京都大学ELP
京都大学エグゼクティブリーダーシッププログラム

京都の名園と環境

景観生態学から見た生物親和の理論と応用

森本 幸裕 MORIMOTO Yukihiro
京都大学 名誉教授

講義概要

 日本庭園は造形芸術の一分野として、自然美と芸術美のはざまで、その意匠が神秘的に語られることもあります。しかし、景観生態学から見ると、優れた庭園には共通の客観的な性質が抽出できます。またその立地条件や土地利用、意匠は自然や文明の都合のよい面を活かし、困った側面をプラスに変える賢い知恵に満ちています。国指定の名勝庭園である西園寺公の京都別邸「清風荘庭園」という実物に触れながら、フラクタルやエコトーン、攪乱と再生、アダプティブ・リユースなどをキーワードに、優れた庭園の秘密に迫ります。過去の事例に基づく理論の講義と清風荘庭園体験のあと、こうした日本庭園の心と技を地球環境危機の現代に活かす、グリーン・インフラ、雨庭についても紹介します。

講師プロフィール

経歴

1948年大阪生まれ。農学博士。専門は環境デザイン学・景観生態学。京都造形芸術大学、大阪府立大学、京都大学大学院、京都学園大学で教授を歴任、現在は京都大学名誉教授。また、日本緑化工学会会長、日本造園学会関西支部長、日本景観生態学会会長、ICLEE(国際景観生態工学学会連合)会長、文化審議会第三専門調査会長等を歴任。「生物多様性国家戦略」はじめ国、自治体、国際的な環境政策、緑化事業に参画してきた。現在(公財)京都市都市緑化協会理事長を務め、危機に瀕する「和の花」の保全と伝統伝統的な庭園の持つ多様な機能を活かした「雨庭」の普及啓発に取組んでいる。

著書

森本幸裕編著『景観の生態史観−攪乱が再生する豊かな大地』(京都通信社)他

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