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Graduate student referral

土田 亮 / 2017年入学生

所属 総合生存学館
専門 災害人類学(風土建築、防災)
研究室 総合生存学館 川井秀一教授, 磯部洋明准教授/委託 地球環境学堂 地球親和技術学廊 人間環境設計論分野 小林広英准教授

思修館での学びを通じて

研究においてもちろん科学的根拠に基づきながら遂行することも大事です。しかし、問題の根本まで遡り全体を俯瞰した上で議論・調整し、実行するということを自分自身が一貫してやらなければ、研究と実践は双方向性を持たず意味をなさないと考えます。今日の地球・人類・社会の生存に関わる専門家一人一人が現場や研究各々の最先端に閉じこもるのではなく、思索し、実行・評価し、再試行できるような総合的な視点を持つことが重要です。加えて、しなやかなリーダシップを発揮できる人材が日本・世界において求められていることを学部時代に全身を通して思い知らされました。

研究と実践の両方に対して本気で取り組みたいと考えた私は、この2つを行き来しながら両立を極める総合生存学と思修館の存在を知り、迷わず思修館の進学を決めました。思修館では、専門を極めることにとどまらず、人間力や現場突破力を養成する熟議やインターンシップ、海外武者修行、PBRといった非常にタフで魅力的なカリキュラムが組み込まれています。「思」「修」両立のための研鑽はとても厳しいものでしょうが、それらを越えた自分や将来がとても楽しみで、そのために学生・教員とともに刺激的な日々を過ごしたいと思います。また、合宿型研修施設や複数指導教員制度、テーラーメイドカリキュラムなど、前例のない手厚い学業面や生活面のサポートにはとても感謝しており、広く深く学ぶために十分に頼りたいと思います。

 

研究内容

近年、地球規模で多発的に自然災害が発生し、その度に自然災害は人類の生存を大きく揺るがす自然への畏怖と脅威として人類に認識されています。それに伴い、2013年では UNESCOが掲げた杭州宣言において「災害回復力を強化し、また、軽減と適応を通して気候変動に対抗するために文化を活用すること」と述べており、地域固有の文化を持続可能性な開発の鍵として捉え、保護・推進を図ろうとしています1)。

地域固有の文化の中で風土建築は、地域ごとに特性は大きく異なります。綿々と知恵や技術が受け継がれた風土建築は、これまで幾度も自然災害を克服し、人類との生活に調和してきました。その一方で、その在来性ゆえに原住民はその価値を客観的に把握・評価することが困難であり、外来の価値観や市場経済の浸透により失われやすいです。そのため風土建築の価値を現地の自然環境や生活様式・価値観の適合だけでなく、その技術や社会的役割から現代において再評価する必要があると考えます。

従来、防災における建築に関する研究では、平常時・被災時・復興時のいずれかの時点に焦点を当てたものが多かったのですが、本質として追求すべき災害における連続的な時間軸上まで考慮した研究は行われていませんでした。また、複数の風土建築の維持継承可能性の課題と条件に関する事例・比較研究は少ないことも挙げられます。

そこで、本研究は複数の自然災害常襲地での平常時の風土建築の使われ方、災害時の被害実態や避難行動、復興時の再建計画を調査・比較することで、連続性のある風土建築の維持継承可能性の課題と条件を明らかにし、土地ごとに適合した風土建築のデザインおよびコミュニティ再建のあり方を模索することを目的としています。

参考文献
1)UNESCO(2013):The Hangzhou Declaration-Placing Culture at the Heart of Sustainable Development-:Hangzhou Congress,59pp.