武田秀太郎特定准教授が、英国物理学会より若手キャリア賞を受賞しました。本賞は、1873年に設立され全世界に２万人の会員を有する英国物理学会が年に一度授与する国際賞であり、日本人の受賞は初めてです。

武田特定准教授は2019年、総合生存学館特任助教であった間に日本で初めての核融合スタートアップとなる京都フュージョニアリング社を共同創業しました。京都フュージョニアリング社は京都大学研究成果活用企業として、世界最先端の核融合基盤技術を世界の顧客に提供し、核融合エネルギーの早期実用化に寄与しています。その後、2020年にはIAEA（国際原子力機関）において核融合プロジェクト准担当官に着任し、官民パートナーシップ推進を通じトップレベルで世界の民間核融合産業振興に貢献。トランプ前大統領およびボリス・ジョンソン首相らによる核融合産業支援への言明に繋げました。こうした一連の功績が、核融合産業の発展、ひいては物理学の発展に貢献著しいとして、今回受賞が決定したものです。
 
若手キャリア賞（NIG Early Career Prize）は英国物理学会の各部会の審査委員会が毎年１名を選定し授与する国際賞であり、武田氏は今回原子物理部会からの選出により受賞しました。尚、新型コロナウイルスの影響により、授賞式はリモートで開催される計画です。
 
受賞コメント
この度は、歴史ある英国物理学会の若手キャリア賞を受賞し身の引き締まる思いです。核融合産業の振興にキャリアを捧げる選択は、ケンブリッジ大学において私が2018年に主催した国際会議の場で着想を得たものでした。今回、その縁の深い英国から栄えある賞を頂けたことで、自らの目指す方向性が正しかったことを改めて確認出来た思いでおります。今後も核融合工学の発展のため、微力を尽くしたいと考えます。