総合生存学館大学院3年生の佐藤大介さん論文が、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)のディスカッションペーパーとして公開されました。
 
Supply-Chain Network Analysis of Kyoto’s Traditional Craft Industry (京都の伝統産業のサプライチェーン・ネットワーク解析)
佐藤 大介 (京都大学)/池田 裕一 (京都大学)/川井 秀一 (京都大学)/Maxmilian SCHICH (University of Texas at Dallas)
 
概要:
近年、需要の変化や世代交代により、京都市における 伝統産業の売り上げは低下傾向にあります。従来の分業体制、製造機器、ノウハウ、熟練職人の仕事の仕方などが、経済のグローバル化に伴う市場構造の変化に対応できなくなってきています。本研究は、サプライチェーンデータのネットワーク解析から、京都の伝統産業の特徴を明らかにすることを目的とします。大きく変化する市場構造の下で、伝統文化や伝統産業が生き残り、持続的に成長するためのカギとなるサプライチェーンのコミュニティ構造、ボウタイ構造、その頑健性および脆弱性を解明して、伝統産業の収益性と労働生産性を検討します。コミュニティ分析やbow-tie構造分析から伝統工芸産業は今でも京都の産業ネットワークの中でも重要な位置を占めていることが分かります。さらに、現代的な産業と伝統工芸産業のネットワーク的な特徴を比較し、収益性と生産性との関係を明らかにしました。分析の結果、伝統工芸産業は現代的な消費者ゲーム産業や電気機械産業とは明らかに異なるネットワーク構造を持っています。現代的な産業はコミュニティ内においてコアとなるループ構造を持っており、それらの企業が高い付加価値を生み出すことで産業全体のエンジンとなっている構造を持っています。一方、西陣織や京人形の産業はコアとなるループ構造を持たないため、産業の収益性が低くなっていることがわかりました。これが伝統工芸産業の衰退の一因であると考えられます。
 
英語サイト:https://www.rieti.go.jp/en/publications/summary/20050005.html
和文要旨:https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/20050005.html