京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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新年(2019年)のご挨拶

京都大学大学院総合生存学館(思修館)
学館長 寶  馨 

2019年は5月1日に新天皇が即位され元号も改まります。新しい時代の到来です。2013年4月に創設された私たちの総合生存学館(思修館)も創立7年目を迎えます。教職員及び学生諸君とともにさらに新たな展開を求めて努力して参る所存です。これまで御支援御協力いただいて参りました皆様におかれましても倍旧の御指導御鞭撻をお願い申し上げます。
 
さて、思修館は、これまで細分化されてきた学問分野を俯瞰し、分析から統合への道筋を探る使命を持っています。わかりやすく言うと、各自が究めてきた学問分野がさらに広い分野の枠組全体に対してどういう意味をもつのか、を考えることです。そしてさらに広い様々な世界の事柄に対してもつ意味を考えることです。哲学と言っても良いでしょう。すなわち、蟻の目(狭い学問分野)から地上を見渡す鳥の目に視点を変え、地上全体のあり方を考えることです。決して蟻を馬鹿にしているわけではありません。蟻は働き者です。このときに人間の目をもちましょう。日本にある京都にある総合生存学館(思修館)だからこそできる思索と行動を実践し世界を捉えましょう。そこに文理融合の神髄を見いだすのです。地球社会の持続可能性、生存可能性を見いだすのです。
 
日本人の美徳の例として、災害直後でも整然と並んで配給を待つ被災民、ワールドカップの試合観戦の後にゴミを残さない日本人サポーターといった国民性、健康的で優雅な日本食、浮世絵、禅や日本庭園、古来の武道といった文化なども世界各国から注目されています。1000年以上も都であり続けた京都という街が有する他にはない歴史と伝統も、世界有数の観光都市として評価されています。こうした優れた特長を背景に有する日本、京都に位置する思修館は、120年以上の歴史を持つ京都大学のなかでも新しいタイプの大学院として、新しい方向を示すのにふさわしい存在であると確信します。
 
大学全体の組織改革が大学改革ではありません。学生の皆さんの学び方、研究者・教育者及び職員の仕事の取り組み方を変えることが大学改革につながります。それぞれの立場での専門を究めると同時に世界を眺めてみましょう。
 
「答えはいくつもある」と良く言われます。でも、実際に取りうる行動は一つです。
 
さあ、新しい年の出発です!
 
2019年 正月

京都大学大学院 総合生存学館

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