山敷庸亮 総合生存学館教授、Shweta Yadav 防災研究所特定研究員(総合生存学館外国人共同研究者)、石川可奈子 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター専門研究員、米田稔 工学研究科教授、須崎純一 同准教授、田村正行 名誉教授らの研究グループは、琵琶湖における沈水植物の人工衛星画像を用いた判別に関する論文[A Satellite-Based Assessment of the Distribution and Biomass of Submerged Aquatic Vegetation in the Optically Shallow Basin of Lake Biwa]を、Remote Sensing誌(5 Years impact factor, 3.749)に発表しました。この技術をベースに琵琶湖環境科学研究センター・JAXAらとの共同研究を始めます。
  
湖における富栄養化の指標として、植物プランクトン濃度が長い間最重要とされており、その監視技術は海洋と淡水域についてほぼ確立されております。しかし近年、沈水植物の被害が深刻化してきた琵琶湖では、沈水植物の大量繁茂による船舶航行障害、景観悪化、漁業・取水障害、生態系への悪影響等が問題になっており、その分布域と量と種類の推定技術開発が求められていましたが、植物プランクトンと沈水植物の反射スペクトルの分離は困難でした。今回開発した技術では、空間解像度30 mの衛星画像からでも沈水植物の定量化とその分類が条件によって(※)可能であることが証明されました。この人工衛星による監視技術が琵琶湖南湖の管理に役立てられることが今後望まれます。また、2017年12月23日打ち上げ予定の気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)を用いたJAXAとの共同研究を通じて、世界の湖における淡水管理に応用に繋げてゆく予定で、それらの成果について今後UNESCOとも連携して国際的に展開する予定です。
 
※分類が可能なのは、光学的に浅い湖であること、水中のクロロフィルaや懸濁物質が一定濃度以下であることなどの条件がありますが、本条件については別論文に投稿中です。
 
論文題目:
A Satellite-Based Assessment of the Distribution and Biomass of Submerged Aquatic Vegetation in the Optically Shallow Basin of Lake Biwa
(琵琶湖の光学的浅水領域(南湖)の沈水植物分布とバイオマス推定に関する人工衛星リモートセンシングによるアセスメント)
  
雑誌名:
Remote Sensing誌(5 Years impact factor, 3.749)
  
著者名・所属:
Shweta Yadav(論文筆頭著者 – 京都大学防災研究所研究員・総合生存学館外国人共同研究者)
米田稔(京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻教授)
須崎純一(京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻准教授)
田村正行(京都大学名誉教授)
石川可奈子(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター専門研究員)
山敷庸亮(論文責任著者 – 京都大学大学院総合生存学館学館教授)
 
論文のページ
http://www.mdpi.com/2072-4292/9/9/966
  
京都新聞のページ
http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20171110000185
  
毎日新聞のページ
https://mainichi.jp/articles/20171111/k00/00e/040/289000c
 
また、研究成果の内容は、京都大学ホームページで詳しく紹介されています。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/170918_1.html