『「結核」改訂版』
光山正雄、鈴木克洋 (編)
医薬ジャーナル社
2017年7月発行
447ページ
¥7,400円

 
総合生存学館で「国際伝染病学—感染・免疫・アレルギー」の講義を担当されている光山正雄教授による新刊書のご紹介です。
 
結核は明治時代以降戦後まで、我が国における最も重大な感染症で、国民病、亡国病などとも呼ばれ、人々に恐れられた疾患でした。その後ストレプトマイシンの発見に始まる種々の抗結核薬の発明や、国を挙げての結核対策により、患者発生数は9割以上も減少しましたが、それでも今なお毎年2万人を超える新規発症者が登録される重大な感染症です。
 
人々の関心が薄れたことにより、今では発見が遅れ、知らぬうちに周囲へ感染を広げてしまう事例も多くみられ、また結核蔓延国から我が国への入国者による持ち込みや、抗結核薬が効かない多剤耐性結核の増加など、改めてその再認識が必要となっています。また永らく結核予防ワクチンとして世界中で用いられて来たBCGは、実は成人の肺結核を予防する効果が極めて小さいことも判明し、より予防効果の高い新規抗結核ワクチンの開発が急務にもなっています。
 
このような現状に鑑み、原因菌である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の細菌学、発症の病理学、免疫学、分子遺伝学、ワクチン開発、そして診断や治療など臨床医学のすべてについて最先端の知見を網羅した本書は、古くて新しい感染症である結核の全てについて重要な知識を提供するものとなっています。