京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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ニュース 本学館院生が筆頭著者となっている論文が、学術誌『Journal of Cleaner Production』に受理されました。

気候変動・電力需要増加への対応、エネルギーセキュリティの強化、新たな産業の創出といった目的で、各国で再生可能エネルギーの導入が進んでおり、その導入の資金源として、海外直接投資が大きな役割を担っています。2015年には世界の海外直接投資総額の新規投資の1割を超える額を再生可能エネルギー分野が集めています。国際間の投資や貿易が拡大していく中で、海外直接投資の投資先決定要因や被投資国に与える影響には大きな注目が集まっており、国際経済学や環境経済学の分野で盛んに研究が行われています。
 
今回、総合生存学館大学院5年生のキーリーアレクサンダー竜太さんを筆頭として、データ科学とネットワーク科学を専門に研究を進めている池田裕一教授の研究指導のもと、再生可能エネルギーへの海外直接投資の投資先決定要因の計量経済学的分析が行われ、その成果が論文としてまとめられ、環境・エネルギー分野で高いインパクトファクターを持つJournal of Cleaner Productionに受理されました(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0959652617310466)。本研究では、各国で整備されている再生可能エネルギー政策が、先行研究で主張されてきたマクロ経済的要因や制度的要因といった投資先決定要因と比較して、同等以上の影響を与えていることが初めて明らかとされました。国際間の投資の大きな割合を占める再生可能エネルギーへの投資に関する研究の蓄積は国際的にも不十分であり、本研究は学術的にも実践的にも大きな意義を持つ研究であると考えられます。
 
題 名:
Determinants of Foreign Direct Investment in Wind Energy in Developing Countries 
 
雑誌名: 
Journal of Cleaner Production
 
著者名: 
Alexander Ryota KEELEY, Yuichi IKEDA
 
また、国際援助においても再生可能エネルギーへの援助額は大きく、国際援助が再生可能エネルギーの導入促進のチャネルとしてどのような役割を持っているかという問題は、特に発展途上国において重要なトピックであります。関連する内容で、キーリーアレクサンダー竜太さんによって執筆された論文が国際学術雑誌から出版されています。
 
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0959652616304668

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