研究概要

研究テーマ

ローマ法、西洋各国の法の歴史

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概要

現在、国際連合に加盟・参加している国や地域は200前後になりますが、言語や文化は、それ以上の多様性を持っています。一方で、国や地域間で、又異なる国・地域に属する人同士で何らかの紛争解決や予防を協議・合意しようとするとき、何に基づいて主張し、何に基づいて相手を説得するでしょうか?説得ではなく、力づくでしょうか?説得しようとする場合、何に基づくでしょうか?

その重要なひとつが法といえますが、法というものは、ひとつではありません。それは、文化の投影物であることが多いからです。概括的にみただけでも、大陸法圏、英米法圏、イスラーム法圏、東アジア法圏等々が、この世界には存在しています。加えて、たとえば同じ大陸法圏でも、ドイツ法とフランス法では、異なるところもあります。

私の専門領域は「ローマ法」で、ローマ法、ゲルマン法、カノン法が基礎となって大陸法圏が形成されたといわれますが、ローマ法ひとつみただけでも、その現象形態はドイツ、フランス、スペインでは異なりますし、スペインを経由して継受された中南米諸国ではさらに異なる場合があります。なぜ、このように異なるものが産み出されて、現在に至ったのでしょうか?そこには、歴史的、思想的、政治的、社会的、経済的等々の様々な理由・背景があり、自らを位置づけ、自らを相対化するためには、まずは、それらの認識が肝要となります。