京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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ニュース 本学館院生の夫津木廣大さんが、外務省専門調査員として滞在したエジプトから無事帰国しました。

総合生存学館 大学院3年生 夫津木廣大さんは、2年間休学して、2017年10月から2019年10月までを外務省専門調査員として在エジプト日本大使館で活躍しました。夫津木さんの2年間の活躍をご紹介します。

プロフィール
名前   :夫津木廣大
専門   :総合生存学 / 緊急人道支援
機関   :在エジプト日本大使館
派遣国  :エジプト
派遣期間 :2017年10月~2019年10月
 
この2年間はいかがでしたか?業務内容を中心に詳しく教えてください。
書けることも書けないことも含めて、すごく充実した2年を過ごさせていただきました。エジプトのマクロ経済について分析し、日系企業のビジネス支援のお手伝いをし、またエジプトで実施される援助政策について調査を行いました。
この2年を通じて、外から見るだけではわかりにくい日本政府の一機関の動き方について、ほんの少しだけイメージができました。今後日本を含む諸政府機関と関わる際には、そのイメージを膨らませ不必要な溝を回避することで、双方にとって、世界にとってよりよい選択肢を導ける存在になりたいと思っています。
 
印象に残っている出来事は何ですか?
初めてスポーツジムを利用した際のことです。脱衣場に入ろうとすると、受付の若いお兄ちゃんが真剣な面持ちで跪いていました。今は、イスラームの礼拝の時間。何となく、入ってはいけない雰囲気を勝手に感じた矢先、シャワーを浴びた男性が着替えを始めました。祈る人の横でムキムキが着替える光景は、「祈り」に対する僕のイメージを壊すには十分でした。
祈る人にとって、「祈り」とは僕のと同じ「日常」の一部分ではないか。よく知らないという理由で心理的・物理的な距離を作ることと、相手を思いやることは別なのではないか。祈る人と祈らない人が、お互いを特別視せずに思いやりながら、それぞれの生活を交錯させることの大切さを感じた出来事でした。
 
最後に、後輩や大学院進学を考えている方へのメッセージをお願いします。
「実務」と「研究」の垣根を自分の中で作らず、色んな組織を動き回り色んな情報をインプット・アウトプットする意味が少しだけわかった気がします。自分の追いかけたいテーマ、そこに関わる色んな組織の色んな動き方を見たり聞いたりして、一面的ではない見識から構造を理解できる存在はきっと必要です。思修館が、そんな人を応援できる場であるよう僕も精進します。


エジプトで出場したリレーマラソン
 

エジプトの国民食コシャリ

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