京都大学大学院総合生存学館(思修館)

EN

menu

レポート 2017年度海外武者修行(4)

海外武者修行として、4年次に8ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。
2017年度の海外武者修行から帰国した、学生を一人ずつご紹介します。

プロフィール
名 前 :周 敬棠(しゅう けいとう)
専 門 :総合生存学/医薬品化学
機 関 :The Scripps Research Institute, Florida
派遣国 :アメリカ合衆国、フロリダ州、Jupiter
派遣期間:10か月(2017年4月3日~2018年1月31日)
 
海外武者修行はいかがでしたか?業務内容を詳しく教えてください。
派遣先であったスクリプス研究所は、化学・生物学において最先端の研究を担う世界最大の民間研究機関の一つです。キャンパスはカルフォルニアとフロリダの二箇所ありますが、私がお世話になったフロリダキャンパスでは、医薬品の創出をゴールとしていたのが特徴です。私も、抗がん剤などに代表される複雑な医薬品候補化合物を探索する業務に従事させていただきました。具体的には、医薬品候補化合物を試験管内で簡便かつ迅速に構築するプラットフォームをデザインしました。成果についは国際学会で発表し、論文も投稿させていただきました。研究成果の論文化のみに満足せず、新しく着想した研究について教授陣を説得することで、 国内外のアカデミア・研究機関を巻き込んだ共同研究を立案し遂行できました。多様なメンバーで協働する貴重な経験により、仕事の幅が広がったのも大きな収穫です。
 
印象に残っている出来事は何ですか?
自分が大切にしている価値観、主張については過不足なく伝える必要があることがとても新鮮でした。というのも、様々な人種・バックグラウンドを持った方達がいますので、「情報や考えは必要十分伝えなければ他人にはわかってもらえない」ということが前提にあるように思います。チームで仕事をする際にはこの風土は大いに役に立ちました。ゴールに対してメンバー全員が納得をした上で働けましたので、スピード感のある毎日を送ることができました。
 
海外武者修行に関してアピールしたいポイントを教えてください。
一にも二にも、自分の世界が広がりました。アメリカは本当に人種のサラダボウルでして、地球全体をミニチュアにしたかのような感覚がします。そういったdiverseな環境の中で自分についてよく見つめることで、自分が持つ人にない資質、あるいは人より弱い部分がよくわかりました。世界を知り、そして己を知ることで、残りの人生で自分が何に挑戦したいのかを明確にすることができたのが、武者修行での一番の成果だと考えています。
 
最後にメッセージをお願いします!
「若い時の苦労は買ってでもせよ」という言葉もありますが、経験によって人は大きく変化できることを痛感しました。私の場合は、武者修行によって得られた経験のお陰でこの先40年の人生設計をデザインする大変良いきっかけになりました。これまで武者修行を応援してくださった先生や関係者の皆様、私を受け入れてくれた派遣先の先生方、本当に、ありがとうございました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

▲実験風景
 

▲国際学会での発表
 

▲同僚と海釣り
 

▲自宅付近の川
 

京都大学大学院 総合生存学館

〒606-8306
京都市左京区吉田中阿達町1 東一条館1階
TEL 075-762-2001 / FAX 075-762-2277
MAIL info.shishukan@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp