京都大学大学院総合生存学館(思修館)

EN

menu

ニュース 現在海外武者修行中の学生からお便りが届きました。<その7>

海外武者修行として、4年次に8ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。

プロフィール
名前   :川田哲也
専攻   :総合生存学 / 環境工学
機関   :国際水協会(IWA)
派遣国  :オランダ
派遣期間 :2017年11月〜2018年3月
現在の業務:インターン
 
近況報告 :
2017年11月中旬よりオランダ国ハーグ市の国際水協会(International Water Association, IWA)にて働いています。この職場は昨年、同大学院の平野実晴くんが活躍された場所であり、その分高まった同僚からの期待をひしひしと受けながら、私は日々を過ごしております。
 
私の研究分野が環境工学であり、環境中における化学物質の降雨に伴う挙動について関心のあることから、前半の海外武者修行は国際的な化学物質管理の視点からスイス国ジュネーブの国連環境計画でインターン、後半は降雨に伴う汚染の現状把握と専門家ネットワークの活性化を目的としてIWAにおいてDiffuse Pollutionのプロジェクトに携わっています。
 
Diffuse Pollutionは広域からの農薬流出や道路などからの路面排水などの汚染源の特定が困難な汚染です。気候変動に伴う豪雨による土砂の流出や突発的な都市排水の流出など、今度も深刻化していく課題といえるでしょう。しかしながら、水俣病などの特定の企業や工場からの流出される汚染とは異なり、マクロな視点をもって対処していかなければならない課題であると思われます。IWAでは2017年から2019年にかけてDiffuse Pollutionの現況や影響をまとめるために、複数の分野の専門家が参加するTask groupを立ち上げ、先行研究のレビューや関係機関への聞き取り調査などを進めてきました。
 
このTask groupに関わる中で、聞き取り調査のためのアンケートを作成したり、世界各国の専門家と連絡をとりながら情報収集と集約に努めています。これまで実施してきた大学での研究と社会課題のつながりを意識することも多く、将来の進路の方向性も見えてきたような気がします。
 
ジュネーブとは異なりあまり晴天に恵まれないハーグではありますが、雨ニモマケズ風ニモマケズ基本自転車で通勤しています。京都も自転車の保有率が高い都市である一方で、オランダの自転車普及率は世界トップであり、土地の高低差も小さいために多くの人が通勤に自転車を利用しています。オランダの穏やかな気候のおかげで、雪にも夏の暑さにも弱い私にとっても自転車での通勤や移動が適度な運動になっています。まだまだ未熟なことも多い私ですが、残された時間を大切にしながら、ありたい自分になれるよう現状の自分を正面から見つめつつ精進していきたいと思います。
 
2018年1月12日
川田哲也


▲11月下旬に学館から訪問を受け記念撮影。 
左より筆者、上司のHongさん、高見 総合生存
学館事務長、川井秀一 同特定教授。     
 

▲オフィスのみんなでツリーを飾ります。
 

▲オランダには2回クリスマスがあります。
(12月6日のサンタ・クロス=聖ニコラウス 
の生誕記念日と、12月25日)      
写真はハーグのクリスマスマーケット! 
 

▲ユトレヒトの可愛らしい信号機。

京都大学大学院 総合生存学館

〒606-8306
京都市左京区吉田中阿達町1 東一条館1階
TEL 075-762-2001 / FAX 075-762-2277
MAIL info.shishukan@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp