京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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研究成果 河川から海への水の動き、台風時のモデルを精緻化 -台風がもたらす海洋環境への影響を把握-

山敷庸亮教授、大学院2年生の黒木龍介さん、元工学研究科大学院生のJosko Troseljさん (現防災研究所研究員)、そして寶馨学館長らのグループの論文「Modeling of Extreme Freshwater Outflow from the North-Eastern Japanese River Basins to Western Pacific Ocean, Journal of Hydrology (2017)」が、水文学の世界トップジャーナルである『Journal of Hydrology』に受理され発表されました。
  
本論文は山敷教授(論文責任著者)が関わっていたクロアチアでのSATREPSプロジェクトの国費留学生であったJosko Troselj 研究員を主著者としており、台風通過時の河川からの流出を最適化手法であるSCE-UA法を用いた分布型流出モデルCDRMV3.1.1によって、二つの台風の相互比較により適切に表現したことに加え、それが陸域海洋相互作用である沿岸部の淡水分布に大きく影響を与えることを、数値計算と人工衛星画像との比較により明らかにしたものです。また海洋研究開発機構による超高解像度日本近海海洋モデルであるJCOPE-Tを利用していることに加え、英国プリマス海洋研究所(PML)による人工衛星画像による海洋でのクロロフィルa濃度の分布状況なども利用した国際連携研究の成果でもあり、この論文をきっかけに総合生存学館とプリマス海洋研究所は研究協定の締結に向けた準備をしております。
  
また、本論文で黒木さんは共著者として加わっており、水文計算結果のグラフ作成やデータ整理、論文の修正などに取り組んでいます。また本研究をさらに発展させた研究のためアリゾナ大学に滞在し、新たな国際共同研究を開始しております。
  
なお、研究成果の内容は、京都大学ホームページで詳しく紹介されています。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/171023_2.html

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