京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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ニュース 現在海外武者修行中の学生からお便りが届きました。<その5>

海外武者修行として、4年次に8ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。

プロフィール
名前   :川田哲也
専攻   :総合生存学 / 環境工学
機関   :国連環境計画(UNEP)
派遣国  :スイス
派遣期間 :2017年5月〜2017年11月
現在の業務:インターン
 
今年度の5月中旬からスイス国ジュネーブにある国連環境計画(UNEP)でインターンをしております。名前の通り、環境に関わる国際機関であり、部署がChemicals and Health Branchという名称で、これまた名前の通り、化学物質と健康に関わる政策を主に担当する部署です。
 
みなさんは、「水銀に関する水俣条約」という条約を聞いたことはあるでしょうか。2013年に採択され、今年2017年の8月16日に発効されたばかりの条約であり、水銀の利用、保管、排出、モニタリングなど多岐にわたる内容が条文に盛り込まれました。この条約の推進および調整を本部署が中心となって活動しております。2017年9月に、本条約に関する第一回水俣条約締約国会合(COP1)もジュネーブで開催されることから、その準備および運営に私も駆り出されております。
 
また、日々の業務として国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(Strategic Approach to International Chemicals Management, SAICM)とよばれるプログラムの中で、環境中の医薬品汚染や製品中の化学物質の管理、塗料中鉛の廃絶に関する基礎的なデータ収集や資料作りに携わっております。
 
日常のあらゆるところに存在する化学物質のリスクを先行研究に基づいて正しく理解し、専門家グループや各国際機関と協議および調整するなかで、政策を各国に促進および普及させること。重要なことながら、日々過ごすなかではなかなか気づくことのできない分野です。そして水俣病のように、問題が表面化してからでは手遅れになってしまう場合もあります。全ての人々が、無意識かつ安全に日々を営んでいけるように陰ながら支える重要な機関で、インターンをさせてもらっています。多様な国籍、文化の共存する国際的な環境に身を置いて、日々苦労することもありますが、それもまた経験だと割り切りつつ、自分の貢献できることや協力を仰がないといけないことに向き合いながら、充実した日々を過ごしております。
 
いつか夏のジュネーブにお越しになる際には、ぜひ上着をお持ちください。日中最低気温が一桁な日もある国ですので。寝冷えもします。
 
2017年8月21日
川田哲也


▲同じ部署のインターンです!
(一番左が筆者)
 

▲日本の旗は奥の方です
@国際連合ジュネーブ事務局
 

▲インターン、コンサル合わせて
10人くらいの部屋で業務してます
 

▲8月上旬には
レマン湖上空が花火で彩られます

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