京都大学大学院総合生存学館(思修館)

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レポート 2016年度海外武者修行(4)

海外武者修行として、4年次に8ヶ月程度国際機関等へのインターンシップを実施しています。
世界視点での自らの位置取りと意識の改革に加えて、国際的リーダーとしての意識と責任感及び突破力を一体的に育成することを目的としています。
2016年度の海外武者修行から帰国した、学生を一人ずつご紹介します。

プロフィール
名 前 :平野 実晴
学 年 :4年次
専 門 :総合生存学/国際法
機 関 :国際水協会 International Water Association (IWA), Programme Department
派遣国 :オランダ、ハーグ
派遣期間:10か月(2016年4月18日~2017年2月24日)
 
海外武者修行はいかがでしたか?業務内容を詳しく教えてください。
IWAは、水の専門家の国際的なネットワークです。上下水道を中心に、都市や流域レベルも含め、より「賢い」(water-wise)水資源の管理がなされる世界を実現するために、130か国にいるメンバーと様々な取り組みをしています。私は、水に関わる国連や他の様々な国際機関の活動、国際的なイニシアティブ、紛争解決手続などが国内政策に与える影響を、法学的視点から研究しています。研究における問題意識を踏まえ、IWAでは、どのようにグローバルな基準を国内での実施のために「翻訳」するか、という視点で業務に携わりました。例えば、上下水道の監視をする役割を持った、いわゆる規制機関が国際的に知見を共有できるようにするためのプラットフォームづくりに携わりました。
 
印象に残っている出来事は何ですか?
2016年10月に、オーストラリアのブリスベンで開催されたIWAの会議、World Water Congress & Exhibitionに運営側として参加したのが印象的でした。世界各国から5000人近くの参加者が集まる、かなり大きなイベントで、様々な意見交換の場や発表がありました。中でも、規制機関が集まって課題解決のために議論する International Water Regulators Forum を準備し、当日の参加を通して、多くのことを経営層の専門家の方々から学ぶ機会となりました。また、次のIWAの世界会議は、2018年に東京で開催されることから、多くの日本人の方々が視察もかねて参加されており、唯一の日本人 IWA スタッフとして、よいネットワークが築けるようサポートしました。
 
海外武者修行に関してアピールしたいポイントを教えてください。
私の場合は、既存のインターンシップなどの手続きを利用するのではなく、自分の研究を踏まえつつ、同時に学ぶことができる場所はどこかと探したうえで、オフィスを直接訪問し、受け入れをお願いしました。大変幸運なことに、思修館の趣旨を深くご理解いただき、業務内容をテーラーメイドしてくださった上司のもとで働くことができました。こうした協力やほかの方々の支えの上で、自分らしさを存分に発揮できる武者修行を設計できたと思います。
 
海外武者修行派遣先での活動を紹介したURL等があれば、教えてください。
派遣期間中に執筆したブログが2つ公開されています。
 □ Sustainable financing: We know we can… but how?
   http://www.iwa-network.org/?s=we+know+we+can
 □ Resilience – Lost in Translation, Found in Exploration
   http://www.iwa-network.org/resilience-lost-in-translation-found-in-exploration/
 
最後にメッセージをお願いします!
武者修行でどこに行くか、何をするか、というのは、なかなか考えがまとまらず、悩むことがありました。それでも、勇気を出して一歩を踏み出し、周りに助けてもらいながら、IWA で多くを経験を積むことができ、貢献もできたと思います。この場を借りて感謝を表明させていただく同時に、これから外の世界(海外であったり、実務であったり)へ踏み出そうとしている学生の、その一歩を応援したいと思います。


派遣機関のIWA
 

ランチを食べながら
自分の部署の活動内容を紹介
 

IWAで最終プレゼンを行っているところ
 

派遣期間中は国際会議にも参加
(会議後、ドイツの浄水場を視察)
 

オランダでは自転車で通勤

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