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京大生です

総合生存学館(思修館)は2012年4月に文部科学省「博士課程教育リーディングプログラム」の実施大学院として誕生した5年一貫制の新しい博士課程大学院です。前回のメルマガでカリキュラム・プログラムの話を始めましたので、引き続きそのユニークさをお伝えできればと思います。
各学生にはメンター教員/教育指導教員と研究指導教員が指導の担当にあたり、それ以外に自身の専門研究については研究指導委託教員がいる場合もあります。また定期的にこれらの指導教員と学生は三者面談・四者面談を実施し、研究やカリキュラムの進捗状況等を確認する時間が設けられています。さらにオフィスアワーといって、総合生存学館教員が担当制で合宿型研修施設を夕刻に訪問し学生とディスカッションする時間も設けていますし、申請することで研究活動経費を得ることができ、各自の研究活動に活かしています。ご存知の通り合宿型研修施設で生活することもできるわけで、一見随分手厚いサポート体制ができあがっているように感じられることと思います。
しかしこれらはすべて学生主体で考えて計画・設計・実行を行うのが基本で、テーラーメイド型カリキュラムの実施が特徴です。4年目には海外での国際実践教育を課され、その受け入れ先(国際機関など)も教員と相談・交渉しながら自分の責任で開拓し、1年間その機関へ特任研究員として武者修行に出ます。そして5年目には自らが企画立案した独自プロジェクトを、実際の社会へ展開する形で実行します。これらをまとめて、「総合生存学」の学位論文を完成させます。
入学前から強い将来のビジョンをもってこのカリキュラムに挑んでいく学生がほとんどで、教育環境の充実・ユニークさだけでなく学生も実力派・個性派ぞろいなのは言うまでもありません。

ナンバーワンかつオンリーワン

5年一貫制だと途中で投げ出せない。2年在学して勉強してどんなに優秀な成績だったとしても、修士の学位もなく、5年間で完成する思修館プログラムを結局ただ何も修得できないまま終わってしまいます。まだまだ新しい試み。しかしだからこそ学生たちは強い志をもっています。
環境倫理が専門でフリピンでのボランティアを経験したAさん。海外武者修行先はUNESCOを希望。卒業後は国際機関以外にNGOのアクターとして働くことも考えています。
Bさんは社会人経験者、しかもアパレル企業のリージョナル・マネージャーとしてインターナショナルなチームを率いる立場でしたが、卒業後はNGOを立ち上げるという目標を探っています。
経済学が専門のCさんは、OECDを武者修行先に考えつつ、欧州復興開発銀行という国際機関の幹部養成コースの合格を目指すなど、具体的な1ステップずつの目標を掲げています。
国際公務員になったり国際機関等でリーダーシップをとったりすることだけが思修館の進路ではありませんが、大学院でこのような教育が求められるのは、より広い深い専門性をもった人材が必要とされているからです。研究職に近い進路を志している学生ももちろんいますし、学術系研究職にも幅広い経験や知識が必須であることは言うまでもありません。 それらを学べる環境がここ思修館にはあります。

活躍の場を広げ経験を積む

「1996年から5年計画時策定した「ポスドク一万人計画」に相反し、文部科学省が国立大学に対して博士課程の定員削減を求めるという大学院教育の方針転換が通知されたのは2009年のこと。さらにこれだけ様々な要因が広範囲で絡み合ったグローバルイシューが積上っている現在、これまでのようにごくごく狭い分野を追求するだけの研究者の需要は大きくないのです。思修館が採択された文理融合のオールラウンド型博士課程教育リーディング・プログラムは大きな期待を背負っています。
学館では学生たちの目標を実現すべく、各国際機関などと学術交流等の協定締結を推進しています(2014.8.4国際核融合エネルギー機構、2013.10.11 UNEP等)。
一口に国際機関、国際公務員といっても、様々な組織や職があり、求められるものも違うでしょう。多くの知識や情報を集める「聞」と、様々な知見に基づく創造的「思」をもとに、これらを有効に使い実践することによって身につく「修」から構成される「智慧」を発揮して、自身の志す進路に羽ばたいていってほしいと願っています。

※今月23日(日)、思修館学生と交流できるイベント、学生有志プロジェクト「学生による学生のための思修館交流イベント“そうだ、未来を語ろう!”」が行われます。早期申込優先ですのでメールでお申し込みください。
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